Novel2

□真実の華
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塞ぎ込んでいても仕方ない。アスランは出掛ける事にした。

買い物ついでに細かい町の地理を覚えようと支度をする。
特に買い物の目的が有るわけではないので、地理を覚え直すのが目的になるかもしれないがやはりボディーガード足るもの地理に疎くては勤まらない。

なるべく普段通らない裏道を選んで歩く。脳裏にある地図に新しく裏道を書き込みつつ移動するアスランの瞳に小さな店が飛び込んで来た。

なんとは無しに興味を惹かれて入ったのは、こじんまりとした宝石店だった。

建物事態は古いが、手入れの行き届いた店内は独特の落ち着きに満ちていた。
普段入るような店ではないのに、不思議と居心地が良かったアスランは、彼らしくない様子で店内を物色していた。

店の主人もそれを咎めるでもなく
「どうぞごゆっくり」
とにこやかに告げた。無理に品を勧めるようなそぶりがない辺りが好感が持てた。

刺だっていた心がふと緩むような心地で見渡した視界にキラリと輝る物が飛び込んで来た。
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