ポケットモンスター
□『独り』
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痛い。
痛い痛い痛い。
どうしてこんなに痛い思いをしなくちゃならないのか、分からない。
痛い。
周りを見ると、自分と同じ背丈の子供たちが自分に向けてたくさんの石を投げてきている。
痛い。
なんで、こんなことになったのか、ふと思い出してみる。
たしか、どこかの家の近くで野球で遊んでいて、屋根の上にボールが乗ってしまったのを、自分が空を飛んでとってきたのが始まりだった。
空を飛ぶのは、自分にとってごく当たり前のことだった。
最初は羨ましがられたり、「すごい」と言ってくれたりしていたが、誰かが自分を化け物扱いをし始め、遊び半分で付き合っていた他の子供も次第に本気になり、最後には大人も化け物扱いをしてきた。
そして、大人は子供に自分が化け物だと教え、子供は大人の言うことに疑問を感じない。
しまいには、自分の家族しか味方がいなくなってしまった。
痛い。
もう誰も信じられない。
痛い。
自分はもう、化け物として生きるしかない。
痛い。
せめて、痛くないように生きていたい。
そう思って、目を閉じた。