NARUTO 【長編 短編】
□【サソリ】素直になれなくて
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『 あ、ちょっと!
サソリ様どうしたのですーっ』
サソリは名無しさんの言葉に耳も傾けずただひたすらその場を離れるだけだった。
『 サソリ様!!』
「 ・・・・!
うるせぇ!
てめぇ、何してやがった!あいつと!!! 」
サソリは振り向き名無しさんに顔を近づけ怒鳴り散らした。
『 え!?
デイダラですか!?
・・・・アジトは暑いから涼んでただけですよ!』
普通ならサソリの冷たく殺意のある瞳であんなに声を荒げられたら誰もが恐怖するはずだ、しかし名無しさんはそれに負けじと大きな声でサソリに問う。
「 てめぇ、誰に向かって口聞いてやがる 」
サソリは名無しさんの頬を片手でギュッと摘む。
『 む・・・・
反抗期ですう・・・・ 』
名無しさんはサソリを睨んだ。
「 遊んでねーでさっさと解毒剤作れこのクソ女っ」
『 もう作り終えました!
だからちょっと休憩してました!!』
「っち・・・
新しい傀儡の回収は 」
『 終わりました!!』
「 ・・・毒針の仕込みは 」
『 もう昨日終わってます!!』
サソリは目を見開く
「 ・・・俺以外の男と一緒に行動すんじゃねーー」
『 ??
そんなの暁にいる限り無理ですよ、男ばっかなんですもの・・・ 』
「 いいから!!!
おめぇは俺のだ!!!わかったな!!!」
『 !!
・・・・は、はい・・・・ 』
ビクッと飛び上がりながら
名無しさんはガックリ肩を落とした。
「 次見かけたら・・・・
おめぇだけじゃねえ、そいつもギタギタにして豚の餌にしてやるからなあっ」
『 ・・・ぐ・・・・
わかりましたよサソリ様・・・・』
名無しさんはその場を後にした。
「 なに、あなたらしくもない。
取り乱しちゃって」
振り向くとそこには小南の姿が。
「 なにがだ。
おめぇも殺されてぇのか。」
「 ふふ、素直じゃないんだからサソリ。
いい加減気付きなさい、自分の気持ちに。 」
「 ああ?
なんのことかさっぱりわからねえな。 」
サソリは腕を組み壁によしかかる。
「 名無しさんのことよ。
ちょっと他のメンバーと話しただけでも怒られるらしいじゃない。 」
「 無駄話は命取りになる。」
「 この安全なアジトでも?」
「 ああ、どこだって俺は敵だらけだと思っている。
あいつは俺のだ、他のやつに尻尾振らせてたまるか・・・」
ギリっと奥歯を噛むサソリ。
「 あなたそれただの嫉妬よ? 」
サソリの肩がピクリと動く。
「 誰が、餓鬼の恋愛じゃねぇんだ。
師弟の間柄にそんなくだらねえ私情は挟まねーよ俺は。」
「あら、そう。
じゃあの子を干渉しないことね。
師匠さん。 」
「 ・・・・!」
ーシュッーー
「 !! 」
サソリの投げた毒針は小南の頬をすれすれで止まった。
「 ・・・刺さりたくなかったら俺の前から失せろ、おせかっい女が。」
「 ・・・・本当素直じゃないんだから」
そう言い残すと小南は
その場を後にした。
「 ・・・クソが。」