SLAMDUNK 【長編 短編】

□【南烈】代わりはいない
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二人は誰もいないコインランドリーに入る





「 …さすがに…この格好じゃ帰れへんやろ?」





そういうと 南は袋からタオルを出し名無しさんに渡した




『 …これ… 』



「 こんなことだろうと思ってな
着替えとタオル持って来てここに置いといてお前探しに行ったん。
全部俺の服やから大きいかもしれんけど我慢せ。」



ポンッと頭に手を乗せ微笑む南



『 ……烈くんごめんなさい… 』



「 …なにがやねん」




服を脱ぎ濡れた服を洗濯機に放り投げる南。

Tシャツとスエットに着替え
後ろを向く




「 …ええから早よ着替えんかい。 」



『 ……うん』





タオルで隠しながら濡れた服を脱ぎ
南の大きいTシャツを被る




全てを洗濯機に入れ回し


南は名無しさんの隣に座った




「 …タオル貸し」




そう言って名無しさんからタオルを取り

名無しさんの濡れた髪の毛を拭き始めた






『 ……烈くん…私…』







彼女じゃないとわかり安心と溢れそうな想いで胸がいっぱいだった



自分を濡らしてまで私を探してくれたんだと



そう思うと申し訳なくて仕方がなくなった。







『…私っ…あの人彼女だと思って…それで… 』





「 ……彼女はおらんけど

気になってる子はおるよ。 」





『 ………』






彼女じゃないと言われ安心したのもつかの間


気になってる人がいると言う発言にまた胸が苦しくなった。







『 …そ、うなん
ええ子?…』






無理やり笑顔を作り

問いかける名無しさん





「 ……うん、ええ子やで
それに可愛いし
でもバカで天然でボーッとして」




名無しさんの髪をタオルで乾かしながら次々と言葉が出る南




「 …それに土砂降りやのに傘もささんと公園におるし
ほんまバカな奴やで

でも…」




『 ………!』









「 …俺のこと一番理解してくれとる。 」







『 ……』





手が止まる南




その一言に振り向く名無しさん










「 …名無しさん、お前が好きやねん俺。」






『 ……!』






まさかの一言にただただ驚く名無しさん






…烈くんが…私のこと…!?







「……ずっと一緒におって
兄妹みたいに接してきたから
恋愛感情なんて抱かないと思っててん。
でも、どんどんどんどんお前に惹かれて行った。
どんどんお前の事が
一人の女性として好きになってきた…

だから、他の奴がお前と仲良くしてんの見たりするとめっちゃムカついたし
ど突いたろって何回も思ったこともあった…
ほんまに好きなんそのくらい… 」





今までの想いをしっかりとした目で話す南




『 ……… 』




「……でもこの気持ちを伝えてしまって
お前の答えがNOだとしたら
この関係が崩れると思って
ずっと伝えられんかった…」







南は全く名無しさんと同じ気持ちだった









『 ………烈くん…私も…
私も烈くんと同じ気持ちだよ…』





堪えていた全てが溢れ出す





ポタポタと流れ落ちる気持ち








「 ……!」







涙を見た南は
手からタオルを落とし
名無しさんを強く抱きしめた









『 ………私もっ……烈くんのこと好きで好きでしゃーないよ…っう』




ヒックヒックと嗚咽しながら
泣く名無しさん









「 ……泣くな。
お前の気持ちわかって良かった。 」





『 ……なのにこんなことしてごめんなさいっ…う… 』




「…ええよ。
気にせんで
俺もお前の立場だったら同じ事してたわ多分な 」



『 …ほんま?…うっ…』



「 …ああ、ほんまや」



『…そんなに私のこと好きなん烈くん… 』



「 …な!
うっさいわ!なんや急に
それはこっちのセリフや!
お前やろ、俺のこと好きなん。」



『 …烈くんだってそうやんっ』




「 …でも絶対お前の方が先に俺に惚れとったやろ! 」



『 …いや!烈くんや! 』




二人は笑顔になり
キャッキャと騒ぐ





『 ……でもほんまに』






『 「 ありがとう」』






「 !」『 !』




二人の言葉が重なった




互いに目を合わせニコッと微笑む






南は名無しさんの手を握る






「…お前の代わりになる奴はおらんよ。 」



『…烈くん… 』






空はすっかり晴れていた




二人の今の心のように。









END


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