SLAMDUNK 【長編 短編】
□【土屋淳】イジワル
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「 ぐふぅ…」
平手打ちを食らった土屋は
目をうるうるさせながら名無しさんを見つめた
気にせずせっせと仕事をする名無しさん
「…肩もめーーー! 」
『 いやだ!!!!!』
「 キャプテン疲れとんねんーー!」
『 うるさい!!』
大声でやりとりする二人
そして 全ての後片付けが終わり
帰宅の時間だ
ムスッと頬を膨らませる土屋
その横には 平然とした名無しさん
「 「 お疲れ様っしたーー! 」 」
皆が体育館を後にする
残ったのは二人
『 …おつかれっしたー』
そう言って帰ろうとした名無しさんの腕を掴む土屋
『 …む 』
「 帰さん 」
『 …話しなさい』
「いやや、ビンタされた 」
そう言ってほんのり赤くなった頬を指差す土屋
『 …………ご、めん 』
頬を見てさすがにやりすぎたと思った名無しさんは申し訳なくなった
「いいんよ、ショックやったけどおー 」
チラチラと名無しさんを見つめる土屋
名無しさんはもう一度土屋の座る長椅子に座った
『 だ、だって!淳くんがいきなりあんなことするから…!』
「 あんなことー?」
『 …うん』
「 あんなことって?」
とぼけたふりをして 名無しさんに質問をする土屋
『 …わかるでしょ!!!』
「 わからんもん」
『 …だ、抱き締めて…きたじゃない!!! 』
恥ずかしがる名無しさんを見るのが好きなのかどんどん意地悪をしたくなる土屋
「 ……抱きしめられた時ドキドキした?」
『 な!!!
し、してないよ!!!』
「ふーんそうなんや
俺はドキドキしたけど? 」
『 …な、なにいってんの… 』
顔を近づける土屋
「 …ふふっ
かわええな… 」
土屋は頭を撫でた
どんどん顔が赤くなる名無しさん
『 …ちょ…
な!もう!またビンタされたいの!?!?』
立ち上がり離れる名無しさん
「 ………だって名無しさん…俺の事好きやろ?」
『 …! 』
目を見開く名無しさん
「 …なあ? 」
立ち上がった名無しさんをそっと抱き締めた
「…またビンタする?
二人きりやけど… 」
ギュッっと名無しさんを後ろから抱きしめ首筋に軽いキスを落とした
『 …!ちょっと…淳くん… 』
「 …知ってたんやろ?俺が名無しさんのこと好きなの。」
『 …え!?
し…知らな…』
「 …嘘つくん? 」
『 ………』
俯く名無しさんの顔を後ろから覗き込む土屋
『 ……』
「…ん?教えて? 」
ゴクリと唾を飲み
名無しさんは口を開いた
『…す…き 』
土屋はその言葉を聞き
ぐるっと名無しさんを自分の方に向けた
そして もう一度強く抱きしめる
「 …せやろ!?せやろ!?
俺ら両想い!」
嬉しそうに笑う土屋
『 …ち、調子のるな!
別にそういう好きじゃっ… 』
「じゃ、なに? 」
『 …それは…』
「…もう素直になりや?ん?
俺は名無しさんの事好きやけど」
『……… 私も…』
土屋は名無しさんの顎を持ち上げ
唇にキスを落とした
ーちゅ
『 … 』「 …」
名無しさんは恥ずかしそうに微笑んだ
「 …やっと素直になったな?
頑固天使ちゃんっ」
『 ふん!
次大勢の前であんなことしたらまたビンタするからねー!』
土屋から離れ
腕を組みプクッと頬を膨らます名無しさん
「 …わかったわかった(笑)
なあ、これって両想いやろ?
ってことは………」
名無しさんの顔を覗き込む土屋
『 な…
なによ!!』
「…カップル誕生ってことやんなあ?? 」
『………さあね! 』
「 あ、いいだなあー?
彼氏にならんでも? 」
『 …ちが…!!…もうなに!
言えばいいの!?』
深く頷く土屋
『 ……つ、付き合って… 』
「…付き合って? 」
『 …くだ…さい!
…もう言わないからね!!!! 』
その言葉にニコッと微笑み頭を撫でる
「 …よくできました
いいよ」
『…ちょっと!!
なに!私が片思いで告白したら仕方がなくーみたいになってるのよ!!! 』
「 ごめんごめん!(笑)
恥ずかしがるのが可愛くてつい意地悪しちゃったん!」
もう一度ギュッと抱きしめる
そして二人は幸せそうに微笑んだ
「 絶対幸せにする自信あんねん俺
…なんで?って聞いて」
『……なんで? 』
「 …初恋の相手やからっ」
『 …淳くん… 』
誰もいない二人きりの体育館に響く愛の言葉
イジワルな彼氏と意地っ張りな彼女
楽しそうなカップルが誕生した日だった。
END