SLAMDUNK 【長編 短編】
□【藤真健司】目を合わせて
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薄暗い空の下
少し距離を開け歩く二人
「 …明日も腫れがひかないようなら
病院に行ってきた方がいいそ? 」
藤真はチラッと名無しさんを心配そうに見つめた
『 …はい
本当私ぼーっとしてて…
反省してます』
「 いや、俺の方こそ
もう少し早く俺が気づいて注意してたら回避もできた話だ。」
ブンブンと首を横に降る名無しさん
『 …マネージャーなのに恥ずかしいです… 』
ーポンっ
『 …』
藤真は落ち込む名無しさんの頭に手を乗せ優しく頭を撫でた
『 ……』
顔を上げれない名無しさん
「 …なんでいつも俺から目をそらす?… 」
『 …え、それは…』
…藤真さんのことが好きだからです。
なんて言えるはずもなく…
『 いや、そのっ…』
見つめてくる藤真の目は名無しさんの目から離さなかった
「 …俺が嫌いか?」
『 へっ!!?
いやいやいや!!嫌いだなんて!
むしろ す…… 』
ハッとした名無しさんは
途中で話すのをやめた
「 …むしろ…?」
どんどん迫ってくる藤真の顔
『 …あの…』
すると藤真は名無しさんに優しく微笑んだ
「 …俺のこと
好き?」
まさかの一言に固まる名無しさん
どうしていいかわからず
あたふたする。
『 …えっ!
……』
「 …俺は好きだよ。
お前のこと。」
『 …え』
頭がパニックな名無しさん
嬉しいのだが
なんだか変な気分だ。
藤真か自分のことを好き?
そんなことない、と心の中で呟く
『 …あの…好きって…っ
えぇ!?』
「…………こんな時に俺何言ってんだか(笑)
怪我してるっていうのにな
ごめん、今のは気にしないでくれ 」
藤真は ニコッと微笑み名無しさんの頭をくしゃくしゃに撫で
手を離した。
『 …………あのっ』
「 ………?」
先を急ごうとした藤真の足を止めた
『 わ…たしも』
思えば藤真に一目惚れをし
ずっと今日まで距離を置いてきた
言い出せなかった一言
名無しさんは 今までを思い返した
『 …好きです』
「 ………ふふっ
そうだと思った」
藤真は名無しさんに近づき優しく抱きしめた
ほんのり香るいい匂い。
藤真の温もり。
ポッと頬が赤らんだ。
『 …そ、そうだと思った!? 』
うっとりしつつ…
我に帰り藤真の言葉にツッコむ名無しさん
「…名無しさんを見ると必ず目が合ってたから…目が合うとすぐに恥ずかしそうに目をそらすし
だからなんとなーく
名無しさんも俺のこと気にかけてくれてたのかと思ってな。 」
ニッコリ笑いながら藤真は名無しさんに話す
『 …藤真さん…』
もう一度抱き合う二人
お互いの気持ちをわかり合った二人は
なんとなく心のモヤモヤが取れたような気がした
「 …俺と付き合ってくれるかな」
そっと顔を近づけ
今にも唇が触れてしまうほどの距離で話す
『 ……………よろしくお願いします』
名無しさんは 夢を見ているようで言葉が詰まったが
しっかりと返事を返した。
ーちゅ
すると藤真は名無しさんの額に軽くキスを落とした
『 ……………なっ!』
大きく目を見開きどんどん顔が赤くなる名無しさん
「 あははっ
どきっとした?」
『 …!………』
藤真から目をそらす名無しさん
名無しさんの目を追い離さない藤真
「 …名無しさんも 」
そう言うと藤真は目を瞑る
『 …え…ええ!?』
そう、キスをしろと言うことだ。
「 …君からは唇がいいな 」
片目をうっすら開けながら名無しさんにそう話すとまた目を瞑る
『 …ちょ、ちょっと藤真さん…え、き、キスぅ?!
こんな、外で!?』
恥ずかしさに逃げ出したくなる名無しさん
『 …ちょ…』
「 …まだ?もう君の彼氏なんだよ俺は?
そして…」
藤真は目を瞑りながら名無しさんの頭を引き寄せ
お互いの額を合わせた
「…君は俺の彼女 」
自分の鼓動を感じながら名無しさんは
そのままそっと藤真の唇にキスをした
「 …ふふっ」『 …ふふっ』
笑顔になる二人
これからこの二人がどのように歩んでいくのかは
この後のお楽しみ…