SLAMDUNK 【長編 短編】
□【南烈】豊玉の太陽
1ページ/15ページ
湘北高校バスケ部は
インターハイ試合のため
広島へと向かっていた
なんじゃこりゃぁあ!!?
「 おいおいシャレになんねーぞ! 」
「 まじかよ!! 」
桜木は目を点にして 三井に問う
「 なんだよこの トヨタマってのがそんなにつえーのか?」
「 二回戦目をみろ!」
叫び焦る湘北
それもそのはず…
「 ヤマオー? 」
「 山王(サンノー)だ!」
キャプテン赤木は息を飲んだ
「 秋田 山王工業
昨年の覇者だ」
「 ハシャ!」
「 ちなみに一昨年もその前もだ」
すると監督の安西が立ち上がった
「 ちょーーーっとトイレに」
彩子は安西に問う
「 先生!
どうして組み合わせを教えてくれなかったんですか?」
安西は足を止め
皆に顔を見せた
「 余計なプレッシャーをかけたくなかったんでね
それと 気負いもね…
相手をどこか教えるよりも自分たちのことが先ですから」
「 ………」
「 それで!
ヤマオーに勝ったら次はどこだ?」
戦うチームが記載された紙を見つめる
「 サンノー!!
…三回戦…」
三井はまたも頭を抱えた
「 おいおい!愛和学園だよ!!
去年のベスト4だぜ!!」
桜木はなにかを思い浮かべた
「 ほうほう
愛知の星か 」
「 知ってんのか?」
三井は桜木を見つめる
「 いきなり怪我して運ばれた男だ大したことねぇ 」
キリッと 雑誌を見つめる桜木
なんのことかと三井は頭にハテナが浮かんだ
ー名朋工業ー
「 …!」
…(反対側
やつとやるのは決勝戦かー)
「 こりゃとんでもない激戦ブロックに入ってしまったなー」
焦りを感じる 副キャプテン 木暮の背後に忍び寄る陰…
ーーガシッ
背の高い 髪を束ねた男が木暮の肩に手を回した
「 「 「 !!?」 」」
「 …乗車券みせてや」
男は荒々しく木暮から乗車券を取った
「 「 「 !!! 」 」 」
「 新横浜ー広島…」
「 おいっ!! 」
「 なんだ!おまえ… 」
立ち上がる三井と宮城
「 山王やら愛和やら言うとったな おまえ
…あんな言い方したらアカんで」
男は木暮の首を腕で絞める
「 この辺のお客さん「 豊玉は弱い」 って思ってしまうやろ」
ざわめく場内
「 お前ら湘北やろ 」
メンチを切る
『 …あああ!!!岸本くん!!!
ダメ!!!』
それを止める一人の女性が現れた
すらっとした外見に
幼い顔
何度も何度も湘北に頭を下げた
「 …名無しさんちゃん 」
『 …すみません!湘北の皆さん!うちの岸本が!!!
ほら!岸本くん!謝って!
もう喧嘩はうらないでーって言ったのに!ばか!! 』
「 …(´・_・`)ご、ごめん」
「 「 ……!? 」 」
『 …あの、大丈夫ですか?! 』
「…あ、ああ大丈夫だよ 」
木暮はメガネをかけ直す
『 …無礼をお許しください!
申し遅れました!私 豊玉高校バスケ部マネージャーの名無しさんと申しますっ』
「 湘北キャプテン 赤木だ。」
赤木は 握手を求めた
『 …よろしくお願いします! 』
「 ぁぁぁあ!握手しやがってこのゴリラ野郎っっ!!!
あかんやで!名無しさんちゃん!!
敵やぞ!!」
『 もう!岸本くん!?
そういうこと言うの嫌だよ!!
ほら!さっさと戻って!!』
岸本は 赤木から名無しさんを離すが
名無しさんに逆に説教され
しょんぼりした
「 …こらぁぁあ!!岸本おお!やめんかぁぁ!!? 」
豊玉の監督が割り込む
「 やめんか!離れなさい!
キミ!怪我はないかね!」
「 なんであやまんねん監督…」
『 ちょっと!!いいから!!』
またも メンチを切りにく 岸本という男を 彼女は止めた
「 てめーらなんて眼中にねーんだよ 」
宮城は 岸本に向かって言葉を発した
イラッとする岸本
名無しさんに止められながらも
湘北に向かって叫んだ
「 み、身の程を知れや!雑魚が!!!
その本みてみい!!!!!」
『 ちょっと!!岸本くん!!
いくよ!!!もう!!』
「 あいつらが侮辱するからやて!名無しさんちゃんー!!」
本を見た 湘北メンバーは固まった
ー湘北 Cランク
「 ふっ!おめでたい奴らやで!山王とやる気や!!」
ーーッ!!!!
戻ろうとした 岸本は何かに足を取られ転んだ
『 …岸本くん!?』
「 っ!!!!!てめぇ!!!! 」
岸本は 足をかけた髪の赤い男の頭を掴む
「 おいチョンマゲ
俺の頭を掴んだこと…忘れんなよ」
桜木花道 と名乗る男
名無しさんは 彼を見つめ
面白い人がいると にっこり微笑んだ
『…ふふっ 』
「 …なに笑って… 」
桜木は 笑い声のする方に勢いよく振り向く…
『 …あ、ごめんなさい!
面白い人がいるなーって
よろしくお願いします!』
「 ……………………」
『 じゃ、湘北の皆さん お互い頑張りましょう(*´ `*)! 』
「 ……?
花道、どうした」
「 …? 」
桜木は フリーズしたまま 名無しさんの後ろ姿を見つめ続ける
「…しかし
豊玉はタチが悪いわね…
そんな選手に比べてあのマネージャー …しっかりしているわ…」
「 ああ、その通りだな 」
「…それに… 」
三井と桜木は口を開いた
「「 …可愛い」 」
ー!!
「 …! 」「 …! 」
ハモった 桜木と三井は顔を見合わせる
「 …はあ!?」
マネージャーの彩子は呆れた
「 …お前らなあ… 」
赤木も同様…呆れた