銀 魂 【原作沿い】

□【親子ってのは嫌なとこばっかり似るもんだ】
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―ある日。








ーザッ





「誰だ?」




橋の上には僧に変装していた桂の隣に立つ男がいた。





「……クク、ヅラあ
相変わらず幕府から逃げまわってるよーだな。」



その男は変装した桂に話しかけた。



「ヅラじゃない桂だ。
なんで貴様がここにいる?
幕府の追跡を逃れて、京に身をひそめていると聞いたが。」



桂の言葉に男は煙管をふかす。



「祭りがあるってきいてよ。
いてもたってもいられなくなって来ちまったよ。」


「祭り好きも大概にするがいい。
貴様は俺以上に幕府から嫌われているんだ。死ぬぞ」


桂がそう言うと
ニヤリと微笑む男。


「よもや、天下の将軍様が参られる祭りに参加しないわけにはいくまい」


「お前何故それを?……まさか」


「クク…てめえの考えているようなだいそれたことをするつもりはねーよ。
だが、しかし面白えだろーな。
祭りの最中、将軍様の首が飛ぶようなことがあったら、幕府も世の中もひっくり返るぜ。

クク…ははははっっ」



何を企んでいるのか
怪しく声を荒げ笑う男。

桂も警戒しつながら
横目で男を見つめる。



「と、いうのは建前でなあ…」



また煙管を吸い
煙を吐き出す男
ニヤリと微笑みながら
小声で桂に話す。




「 探し物があってな。 」



「………探し物…?」


桂は慎重に尋ねる。


「なんでもそれは
幕府の犬っころの中にいるらしくてなあ…」



「!」



桂の頭に一人の人物が浮かび上がる。





「もともと俺の物だったんだがな。
返してもらおうと思ってな。」




「…本当の目的はそれか…」




ニヤニヤと怪しく笑う。



「俺は認めちゃいねーんだよヅラ。
あいつが俺から離れたことをな…
必ず連れ戻すって言葉投げ捨てたら
また俺を求めて戻ってくる…そう思ってたが
まさかこんなに時間経っても戻って来やしねえとは。」



グッと 目を見開き表情が変わる男。



「…そんなにも犬っころに囲まれた生活の方が幸せかね…ククッ
笑わせるぜ。 」




「 ……やつをもう解放してやれ高杉。 」









そう言うと桂はその場を後にした。











桂は 一刻も早く銀時に知らせねばと先を急いだ
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