銀 魂 【原作沿い】
□【喧嘩はグーでやるべし】
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真選組では朝からある妙な噂が隊士達の間で流れていた。
「副長ぉおおおお!」
「局長が女にフラれたうえ、女を賭けた決闘で汚い手使われ負けたってホントか!?」
「女にフラれるのはいつもの事だが、喧嘩で負けたって信じられね―よおお!!」
「銀髪の侍ってのは何者なんだよおお!!」
質問攻めされる土方はタバコを吸い、隣で名無しさんはその噂を聞いて驚いていた。
『 うそ!局長が!?あのゴリラが!?』
「会議中にやかまし―んだよ。ゴリラやめろばか。
あの近藤さんが負ける訳ね―だろが。
誰だ、くだらねぇ噂たれ流してんのは」
「「沖田隊長がスピーカーで触れ回ってたぜ!!!」」
一斉に視線が沖田に向いた。
注目される中
沖田はニヤリと微笑む。
「俺は土方さんに聞きやした。」
土方は頭を抱えた。
「コイツにしゃべった俺がバカだった」
『 結果土方さんがしゃべったんじゃん!!! 』
「名無しさん隊長の言うとおり、結局アンタが火種じゃねェかあ!」
「偉そうな顔してふざけんじゃないわよ!!」
「って事は何?マジなのあの噂!!?」
「 うるせぁぁあ!!」
ガシャーーーン!
周りで騒ぐ隊士達にとうとうキレた土方は、机をひっくり返した。
「会議中に私語した奴ァ切腹だ。
俺が介錯してやる。
山崎…お前からだ。」
刀を抜く土方。
完全にとばっちりの山崎は慌てた。
「え!!え!?
俺……何も喋ってな……!」
「喋ってんだろ―が現在進行形で。」
『 山ちゃんをいじめんな!土方!この鬼ー!! 』
「 「 そーだそーだ。土方このやろう!名無しさん隊長の言う通りだ!この鬼瓦ー! 」 」
「 『 うんうん 』 」
「 誰が鬼瓦だーーー!!!!
なに、ちょっとちゃっかり土方とか呼び捨てしちゃってんのぉ!?
お前らも うんうん じゃねーー 」
・・・
「ウィース」
すると丁度その時、部屋の襖が開いた。
「おお、いつに無く白熱した会議だな。
よーーーーし、じゃあ皆、今日も元気に市中見廻りに行こうか!」
入ってきたのは痛々しく頬がはれ上がった近藤。
何事もなかったかのように現れる近藤にまたも頭を抱える土方であった。
「ん?ど―したの?」