SLAMDUNK 【原作沿い】
□【バスケに寄せる想い】
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それから数日が経ち
名無しさんは帰り道
水戸と下校していた。
「 ・・・・・花道今日も練習か。
あいつも没頭できるもの見つかってよかったな、なんか嬉しいような寂しいような。」
水戸は最近放課後遊べていない花道のことを話した。
『 でも私嬉しいよ。』
水戸は名無しさんの横顔を見つめた。
『 花道が私の大好きなバスケに夢中になるなんてさ、私がやりたかったこと
身近な親友ががんばってるって思うとすっっごく嬉しい!
おかげて練習付き合えるし♪
練習試合とか見に行けるし!楽しみ増えた!
明日は朝から花道にドリブル教えてあげるんだ〜♪』
名無しさんは楽しそうに話した。
水戸は 高校でもバスケをやりたかった名無しさんの思いを知っている。
たくさん悩んでいたことも
そして大好きなバスケに興味をもった花道のことも 、自分以上にうまくなって自分の分までバスケを楽しんでほしいと望んでいることも。
「 だな!
なんかーお前見てると本当何もかも前向きに考えれるからいいわ! 」
水戸は名無しさんに微笑んだ。
『 ふふっ』
「 てか、ちょっと寄りてーとこあんだ行こう」
水戸は 名無しさんにそう言うと
嬉しそうに先を急いだ。
『 ・・・・・? 』
いつもと違う道から遠回りをする水戸。
そして歩く2人の目の前に小さな公園があった。
そこにはバスケコート。
そして 誰かが置き忘れたであろうバスケットボール・・・・・
「 ここな 」
『 ・・・・・よーちゃん!』
名無しさんは水戸に抱きついた。
そう、水戸は花道がバスケ部に入ってから
がんばっていると言う噂を聞き、いつも熱くなっている名無しさんを見て
バスケをさせてあげたかったのだ。
『 だからわざわざこんな遠回り! 』
「 まあな、昨日探したんだ。
ちいせぇけど1人で練習するにはいいだろ?」
水戸は照れながら話した。
『 んもぉぉおーー!!
よーちゃん!よーちゃんよーちゃんよーちゃん!!!
なんていい人なのに彼女がいないんだ!! 』
「 それは一言余計!笑 」
水戸は喜ぶ名無しさんを見て
自分も嬉しい気持ちになった。
「 明日花道に初めて教えんだろ?
体なまってんだろ!練習してけ。」
名無しさんがあの日からバスケを遠ざけていたのは知っていた。
バスケができなくなった今でもそれに対する思いは特別なままな事も。
『 本当ありがとう!よーちゃん!! 』
水戸は振り返らないまま名無しさんに手を振りその場をあとにした。
『 粋な事してくれんじゃん、本当。 』
クスッと笑い水戸の後ろ姿を見送る。
「 ・・・・・本当可愛いやつ。 」
水戸は嬉しそうにその場を後にした。