SLAMDUNK 【原作沿い】
□【湘北!入学!!】
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…ピピピ
…ピピピ
『 ん〜』
…ピピピ
小さなアラーム音が鳴り響く
『 もう少し・・・・・』
ゆっくり目を開けると時計は8:00を差していた。
『・・・・・んん
ウソ!!!寝坊した!!!!』
ー彼女は名無し名無しさん
今日から晴れて高校生になるのだが
入学式初日から寝坊をしてしまった。
荒々しくシャワーに入り
新品の制服を着て家を出た。
『もー!
昨日緊張して寝れなかったからだーー! 』
名無しさんは走りながらぶつぶつと独り言を話す。
そして曲がり角に差し掛かった瞬間
ードンッ!
「「 うおっと!!!!」」
男5人とぶつかりその場は大惨事
『 っててて・・・・・
あ、皆っ!おはよう! 』
痛む腰を上げつつ男たちは名無しさんを見た。
そして名無しさんも男たちを見上げる。
「 名無しさん!
びっくりしたじゃねーか!」
『 ごめんごめん!』
「 名無しさん!うす」
「 名無しさんおはよう」
「 おーす!」
「 うーっす!」
『 花道!洋平!野間!高宮!大楠ー! おはよう!』
この男5人は 桜木軍団と名乗る
赤い髪の男が桜木花道。
この5人とは幼なじみで名無しさんは小さい頃から仲が良く
特にこの水戸洋平、桜木花道とは家族ぐるみの付き合いをしていた。
ボーッと5人と挨拶を交わす名無しさん。
『・・・・・まって
皆がこの時間に登校してるって事はーー』
「 「 「 「 「 遅刻 」 」 」」」
『 やばいよ!走るよ!!!!! 』
名無しさんはただひたすら走った。
持ち前の明るさと元気な性格で幼い頃から友達が多かった名無しさんは
ルックスも良い上、お人好しで同性からも異性からも好かれていた。
しかし自分がモテていることすら気づくことがない・・・・・。
そんな気ままで、素直な名無しさんをこの5人は好いていた。
『 ギリギリセーーーーフっ!』
砂埃を巻き上げ到着した6人。
もちろんギリギリセーフではない。
「 こらー!入学式当日から遅刻とはー!」
体育館に笑いが起こる。
・・・・・
入学式は無事終わった。
今日から名無しさんの楽しくも波乱万丈な高校生活が始まるのであったー
・・・・
『 うそー
わたしだけ別! 』
悲しそうにクラス分けの用紙を握る名無しさん。
花道たちと1人だけ離れてしまった様子だ。
「 まあ!遊びにも行くしさ!大丈夫だって!お前のことだからすぐ友達できるって!」
水戸は悲しむ名無しさんの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「 そうだぞ!名無しさんよ!かわいい子いたら紹介しろよ! 」
小声で話す花道に
名無しさんはプクッと膨れ胸板を叩く。
『 うるさい!フラれ王がー!!もーー 』
・・・・・はぁ、みーんなと離れちゃうなんてー
入学式当日からテンション下がりっぱなし
名無しさんは寂しげに誰も知り合いのいない教室に入り席に着く。
担任が教室に入り
自己紹介などが行われる。
名無しさんは自分の自己紹介を適当に終え・・・・・
『 はぁ 』
ただただため息をつく
悲しみにくれる名無しさん。
花道たちと別のクラスになったことのショックが大きかったため誰の自己紹介も耳に入って来なかった。
しかし
(きゃー流川くんかっこいい!)
(あれが富が丘中の流川くん?イケメンー!)
ざわざわとざわつく教室
パッと我に帰る名無しさん。
クラスの女子が騒いでいたのは
名無しさんの後ろの席の男だった。
「 ・・・・・富中出身 流川楓 」
流川と名乗る男は だるそうに自己紹介を終え 机の上でうつ伏せ寝る。
・・・・・うわぁ背が大きい。
顔も綺麗だし そりゃきゃーきゃー言われるわ。
名無しさんは流川の顔をまじまじと見つめ心の中で分析をした。
流川は視線を感じ、顔を上げた。
そして目が合う2人。
「 なに」
まじまじと自分を覗き込む名無しさんに問う。
『 ・・・・・!!
いや、声援がすごいね君(笑)
よっ!モテ男! 』
「 ふん
うるさいだけだ」
流川は適当に言葉を返し
改め寝る体制に入る。
『 クールかよ!』
名無しさんはクスッと笑った。