NARUTO 【長編 短編】
□【波風ミナト】伝えられない言葉
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それからもう数年
ミナトも私も上忍になり
私達は教え子を持ち
先生 として若い忍達を教育する側になった。
「 名無しさん先生ーー!
みてよー!!!」
『 …すごい!!やったね! 』
次第にミナトと会う機会は少なくなった。
そんなある日
「 あー!ミナト先生ー!
カカシー!オビトー!リンー!」
教え子がミナトを見つけ手を振る
「 ……名無しさん 」
『 ……ミナト 』
時が止まったように感じた。
もう知っていたから。
「 …ミナトー!お弁当忘れてるってばねー!!!」
ミナトの後を小走りで来たのは
クシナだった。
「 …ああ、クシナごめん!
ありがとう」
「 ミナト先生またお弁当忘れたのー?」
キャッキャと騒ぐミナト班
そう、あの誕生日の後
少ししてから ミナトとクシナが付き合ったことを知った。
それから私は気付けばミナトを避けるようになっていた。
会おうと思えば会うタイミングなんてたくさんあった。
でもわざと逃げていた
会ったら気持ちが溢れそうだったから
「 …あら、名無しさんじゃないの!
名無しさんももう先生なのね!」
クシナは名無しさんに話しかける
『 …うん
クシナ久しぶり。』
目を合わせて話せない
「 …? 」
『 …じゃ、またね皆
ほらー!行くよー!今日は3人とも昨日の続きよー!!』
「 「 「 はーい!」」」
「 …またな、名無しさん 」
『 ………うん、ミナト』
名無しさんはその場を後にした。
「 …ほーんと昔っからおとなしい子よねー!あのこ!」
「 ……… 」
ミナトは 名無しさんが自分に想いを寄せていたなんて思ってもいなかった。
しかし 昔のような名無しさんの笑顔がなくなり
避けられているように感じていたのは確かだった。