火黒ver

□5人
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春...というにはまだ寒い3月1日。
万全の寒さ対策をしても尚、
顔や手に冷たい風が突き刺さる。

「...暖かそうで良いですね、2号は。」
「ワフっ!」

自分の少し手前を歩く2号に皮肉を言うが、うまく伝わらなかったようだ。

今日は誠凛に別れを告げる日。
この通学路を歩くのも今日が最後。
正直あまり実感が湧かない。
思い出が詰まりすぎているせいか、それとも誠凛を離れた自分が想像出来ないのか。
どちらにせよ、

「最後と言われるとやっぱり寂しいものですね。」
「...ワゥ」

入学時よりも少し年季が入り始めた
校舎を見上げ呟く。
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