欅坂小説

□チョコ&バニラ
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菅井side



「ぅう・・・痛いぃ・・・。」
楽屋に入るなり、急にお腹を抑えてうずくまった茜。


「茜っ!?大丈夫!?」
慌てて声をかけるけど、苦しそうに顔を歪めて呻いているだけで返事はない。


「さっきの麻婆豆腐特攻食いのせい!?・・・っ、誰か、マネージャーさん呼んで!!」
何事かと集まってきたメンバーに、咄嗟に指示を出す。


「茜、もうちょっと頑張って!」


「うぅ・・・っ、」
何とか落ち付かせようと声をかけるけど、相変わらず顔を歪めたままだ。
どうしよう・・・。茜が死んじゃう・・・!!


「・・・ゆ・・ぅかぁ・・・」
私までパニックになりかけた時、名前を呼ばれた。


「茜っ!?どうしたのっ!?」


「て・・・。」


「て?」


「手ぇ、握って・・・。」
突然のお願いに、顔が熱くなるのがわかる。
え・・・付き合ってはいるけど、人前で手なんて繋いだことない・・・。
って、そんなこと考えてる場合じゃない!!
ぎゅっと手を握って背中をさすってあげると、苦しそうな顔をしながらも薄く笑った茜。


「えへへ・・・恋人繋ぎ、っ・・・!!」
そう言ってから、また痛みの波に襲われたのか、開いてる手でぎゅっとお腹の部分の服をきつく掴む。


「もうっ・・・!!」
心配と照れと少しの呆れが混ざって、何とも言えない気持ちになる。




やがて駆けつけたマネージャーさんに、茜は病院に連れていかれた。


「やっぱり、あの特攻食いは命がけなんだね。」
愛佳が隣でぼそっと呟いた。
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