欅坂小ネタ集
□小ネタ8 〜誰にも〜
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渡邊side
「・・・理佐との子供が欲しい。」
「・・・・・・は?」
「子供が欲しい。」
「・・・うん。将来誰かと結婚するなら、いずれはね。」
「将来は理佐と結婚する。」
「え・・・酔ってる?未成年の飲酒は法律で禁止されてるよ?」
「酔ってないよ!素面だよ!!純粋に理佐が好きなの!理佐との子供が欲しいの!!」
「・・・もういっそのこと、酔ってて欲しかった発言だね。今後の科学の発展に期待するしかないね。」
「ねぇ雑誌読みながら適当に流さないで〜!」
「もう、うるさい・・・。」
やいのやいの騒いでいる愛佳が、かまって欲しくて鳴く猫みたいで可愛くて。読んでいた雑誌をソファーに放って、両手を広げる。そうするとすぐに飛び込んでくるところは犬みたい。私の上に対面式で乗った愛佳の体温が心地良い。
「理佐ぁ〜。」
すりすりと肩に頬ずりする愛佳の頭を撫でてあげた。
「・・・なに?」
じっと愛佳の顔を見ていると、不思議そうに小首を傾げた。
「んー・・・別に。」
百歩譲って結婚はするとしても、子供はいいかな・・・。
「愛佳。」
「んー?」
元々近かった顔の距離を瞬時に縮めて、ゼロにする。狙った通り、ちゅっと可愛い音が出た。
「っ、りさ・・・。」
「好きだよ。・・・・・ずっと。」
子供欲しいとか言うのに、いざこういう事をすると耳まで真っ赤にする愛佳が可愛くて。他の誰かに取られるなんてもったいない。誰にも渡したくない。その気持ちが伝わるように、さらに腕の力を強めた。
END