欅坂小ネタ集

□小ネタ7 〜愛しの酔っ払い〜
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守屋side








「あかねんとの子供が欲しい。」
右手に握られた缶チューハイと紅潮した頬、潤んだ目。



・・・あぁ。めんどくさいことになったよ、これ。
ここが寮の部屋で良かったよ本当。




「子供が欲しい。」
大事なことなので二回言いました。・・・みたいな。


「うん、友香ちょっとお水飲もうか。あと、今の科学技術じゃ無理。」


「無理じゃない、きっと私達の愛があれば・・・。」
ダメだこの酔っぱらい。今は何言っても絶対ダメだこれ。


「そっか。頑張らないとね。はい、お水。」


「適当に流さないであかねん!私は真剣なの!!」
いや・・・酔っ払いに言われましても。


「わっ、ちょっと友香・・・。」
そうこうしてるうちに友香が上に居た。せめてベッドの上にして欲しい。床だと背中の骨が当たって痛いんだから。


「あかねん・・・。」


「ゆうか、ちょっ・・と、っ!」
重ねられた唇から伝わってくるお酒の匂いに、私まで酔いそうになる。必死に肩を押して友香を引き剥がすと、悩ましげな顔をしていた。


「・・・・・真剣だもん・・・。」
むぅっと不満そうに頬を膨らませる仕草が、年上なのに可愛くて。
この酔っ払いに振りまわされるのも悪くないかって思っちゃったのは、惚れた弱みっていうのかな。




「・・・・分かってるよ。」
友香はいつも何に対してもひたむきで、一生懸命なのを知っている。私に対してもそうしてくれているのが、嬉しい。


「でももしそうなっても、私は欲しくないかなぁ・・・。」


「え・・・。」


「だって友香を一人占め出来なくなるじゃん。」
ぼそっと耳元で言うと、一気に赤くなる。その様子に私の悪戯心がむくむくと頭をもたげてきて。はむっと友香の耳を唇で挟むと、予想以上の声を上げてくれた。
どうやら私までお酒の匂いにやられたみたい。
その後は友香とベッドに倒れ込んで、空が白み始めるまでお互いの熱を求め合った。





「・・・・・・こんなに可愛い酔っ払い、ずっと一人占めしていたいもん。」
すーすーと穏やかな寝息を立てる友香のほっぺをつんつんしながら、そう呟いた。



END



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