欅坂小ネタ集

□小ネタ3 〜出来心〜
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志田side



「・・・・なにしてんの?」


「え、何って・・・壁ドンだけど。」


「ふーん。」


「ちょっとは照れてよ!!」


「あ、ちょっとどいて。飲み物取り行きたい。」


「あっ、理佐ぁ〜!」





・・・・・・・。
恋人の私が言うのもなんだけど、理佐はクールだ。
大好きとか言っていたオダナナに壁ドンされてもさっきみたいなリアクションだし。

私がやっても同じ感じだろうな〜って思いながら、再びスマホに視線を落とした。




・・・いや。やってみよう。

音を立てないように近づいて、理佐の背後に立つ。



「理佐。」


「んー?」



理佐が振り向いた瞬間、両手を壁にドンっとつく。


「っ!?」
理佐のびっくりした顔が近くにある。
それだけじゃなくて理佐の香りや、少しだけ触れた身体から体温を感じて、やった側なのにドキッとする。



「・・・・まな、か?」


「あ・・・・ごめん。出来心で・・・。」


「それはいいんだけど・・・それ・・・。」
そう言って理佐に指差されて、視線を移すと



「つめたっ!!」


「え・・・遅っ。」
理佐が持っていたお茶が盛大に服にかかっているのに、やっと気がつく。


「ごめんね愛佳。急にされたからびっくりしちゃって・・・。」
申し訳なさそうにハンカチでぽんぽんと拭いてくれている理佐の顔が、心なしか赤い気がする。
確かめようとそっと顔を覗きこむと、一瞬こっちを見てからすぐに逸らされる。


「理佐・・・。」


「なに。」


「照れてる?」


「別に。」


「・・・床ドンしていい?」


「・・・・・・・はっ!?あ、ちょっ・・・と、」
ぐっと肩を押して倒して、顔の横に両手をつく。
この光景はちょっと。うん。


「愛佳?」


「このままシていい?」


「っ!?」

そっと理佐にキスしようとした瞬間、視界が暗転した。





「志田、服濡れたなら着替えないと。」
何が起きたのか分からず、上から降ってきた声の方を見ると、にっこりと笑顔で言ってくる友香がいた。

え?もしかして今どつかれた?
友香にどつかれたの私?


笑顔だけど若干怒りのオーラが混じった空気を纏っている友香にちょっとゾッとして、大人しく言う事を聞くことにする。


ちらっと理佐を見ると、茜に引っ張り起こされていた。




くっそー・・・。
夜までお預けかー・・・。
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