Books No.4
□君への下心
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(やばいな、このままだと…)
安室透こと、降谷零は、組織絡みで事件を捜査していた。
しかし、運悪く、犯人一味の1人に拘束されてしまった。
すると、突然扉をけっ破った音がした。そして銃声が2つ。
安室は次の瞬間には赤井の腕の中にいた。
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「前からきこうとおもっていたのですが、何故あなたは毎度毎度僕のことを助けるのですか?」
事件が解決し、後始末を終わった後、ここ最近の疑問を赤井にぶつけた。
「もちろん、組織の壊滅には君の力が必要と判断したのもそうだが、実を言うと、君が好きだから。かな。」
夜風に髪を揺らしながら、何処か寂しそうに紡がれた最後の言葉に沈黙が流れる。
恐ろしく長く続く沈黙に2人の足取りさえ止まってしまう。
沈黙を破ったのは赤井だった。
「まぁ、つまり君への下心で助けているんだ。」
表情ひとつ変えずに言うと安室の髪をひとなでして赤井は去っていった。
「まっ、…」
ひとり、警察庁の前に取り残された安室は熱くなった顔を夜風に速く冷まして欲しいと心から願った。
決して、鼓動が速くなった理由など知りたくなかった。