桃色受け
□皆のために
1ページ/3ページ
side:知念
いつからだろうか。僕が枕営業を始めたのは
いつからだろうか。心の底から笑えなくなったのは
いつからだろうか。皆が傷つくのを恐れ始めたのは
僕が枕営業をする理由。それは皆を守るため
いつしか僕は撮影が最後の日があって終わったあとに帰ろうとしていた所を事務所の偉い人に声をかけられ食事でもどうかい?と誘われた
最初は僕も疲れてたし断ろうとしてたけどその人は必死になってお願いしてくるから仕方なく食事を共にした
だけどそこで僕は脅されたんだ
『俺の言うことを聞いたら何でもしてあげる。だが、もちろん君がきかなかったら仲間を失うことになる』
あの時のことは今でもずっと覚えてる
忘れられない
それほどあの日、怖くて最悪な日だったから
そして現在僕はあの人から抱かれ続けてる。皆を守るために…
皆はしってるはずない
僕が抱かれてるおかげでグループは波にのってきたことを。
涼介は映画やドラマ、CM、バラエティーで活躍でき、知名度があがったことを。
これは僕から頼んだわけじゃない
あの人が、、
『君を抱くだけじゃ楽しくない。だからグループの知名度を、あげてやる』
望んでもないことを一方的に決められ続けた
今日もきっと、地獄の日
ほら、今だって。
涼介「知念!俺、また映画決まった!」
慧「あ、俺もなんだよー!」
大貴「俺も映画の撮影が始まるー!!」
圭人「明日、バラエティーのお仕事が入った!」
裕翔「俺はドラマの撮影が……」
また、あの人の仕業だ
こんなこともうやめてほしい
映画やドラマ、バラエティー、CMの仕事が入る度に苦しくなる
自分の努力で勝ち取ってない仕事なんて貰ったって嬉しくない。でも枕営業を辞めれないのは皆を守れなくなるから
僕はどうすればいい?
やめたい
でも皆を守れなくなってしまう
それだけは嫌だ
もう答えが出てる
僕は枕営業をしてあの人に抱かれ続けるしかない
だけど、努力もせずに仕事なんてほしくない
矛盾してる
仕事が貰えた
グループ、個人の知名度があがった。何が嫌だ…?抱かれるだけでこんなに仕事がもらえて何が気に食わない?
自分でもわかってる
何がいけないの?
侑李「ははっ……もうわかんないや」
僕しか居なくなった楽屋で独りで呟く
結局、逃げ道なんてないんだよ
あの人からは逃げられない
きっと僕が1人なの知っててしてるんだ。ピロリンとお知らせメッセージのくる音。
前まではなんにも感じなかったこの音は今では恐怖の音となった
恐る恐る震える指でタップし内容を確認した
侑李「はぁ。涼介かぁ」
ホッと胸を撫で下ろしすぐに返事を返した。涼介からの内容は
『お前大丈夫?元気なかったように見えたけど』
元気だと思う?
助けて。言えたら、、
どんなに楽なんだろうか。