短編小説
□君のために俺がいる
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◻遊真side◻
最近、オサムの話がよくC級隊員達の中で上がる…
そういえば、オサムが風間先輩と戦った辺りからか?
からすま先輩や迅さんに目を掛けられているのもあって、かなり目立っている事は確かだ…
その事を良く思っていない隊員もいて、耳障りな会話が良くされている。そんな会話をしている隊員の中を通り過ぎ通路へ出ると、この話の張本人が俺の目の前を横切って行った
今のこの状況の空気など気にも留めない辺り、流石と言うべきか、危機感を持てと言うべきか…
急いでいるのか俺に気付かず素通りして行くから、後ろから声をかける
「オサム〜、何してたんだ?」
「うわっ!空閑…びっくりするだろ。」
「ニシシ、オサムを見つけたから嬉しくて」
「なっ…//////」
俺の一言で耳まで赤くなるから可愛い…
本当に可愛くてたまらない、俺の愛しい人
「僕、今日は調べたい事があってこれから資料室に行くんだ。遅くなるから先に帰っててくれ」
「いや、俺も特訓しながらオサムの事待ってるよ」
「僕はそう言って貰えると嬉しいけど、空閑は大丈夫なのか?」
「うん。問題ない。俺がオサムと一緒に帰りたいだけだから」
周りの空気が異様であるのを背中でも感じる。
この雰囲気に本気で気付いていないオサムが正直羨ましいとさえ思う。
遠巻きにオサムを見てまた会話を始める彼らの存在を、オサムに悟られないように平然を装って会話をする
「じゃあ、僕はこっちに用事があるから」
「分かった。じゃあ、終わったらいつもの場所で待ち合わせだな」
「うん。じゃあ、空閑も訓練頑張れよ。でも、無理だけはするな?」
「分かった。本当、オサムは面倒見の鬼だな」
「なんだよ、それ」
お互いに見合って笑うとそれぞれの場所へと移動した
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