BOOK(編集用)
□第1話
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酸素を求める自分の声が風呂場に響いた。
眞魔国に来る際、自宅の風呂からスタツアしたので帰りも当然自宅の風呂だと思っていた。
「・・・、え!?」
だが視界に入る景色は見知らぬ風呂場。
頭いっぱいにハテナマークを敷き詰めて目を擦ったり頬をつねってみた。
普通に痛い。
夢でも幻でも無いらしい。
何とか現状を理解しようと風呂場を見渡すが、分かったのはおそらくここの住人は風呂に入る前だと言うこと。
何故ならお湯が温かいのに壁や床が濡れてない。
少し熱めの俺好みの湯加減ではあるが、いつまでも浸かっているわけにもいかない。
とりあえず服を着て家に帰る方法を探さなければと思い、立ち上がった。
その瞬間、風呂場のドアが開き見知った顔が目に入る。
「…………咲さん?」