短編

□はじまり
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一体今は何時でここはどこなのだ

よくわからん強面のお兄さんに拉致られて、、、よくわからない和室に押し込まれてひたすらこの部屋で待ち状態


うぅ、、オタクなめんなよ
こういう非現実的なことの知識はあっても小心者でなにも出来ないんだぞっ!
何より非現実的なことの王道は異世界へトリップが基本だろ!!
なんだよ和室に閉じ込められるって

もちろんこの和室襖に何か立てかけられてて開かないんです


ってかなんで俺拉致られたの?
人身売買的な?
最悪このまま誰も来ないで死ぬのか?

うわー、笑えない
俺まだ童貞なんだけど!!
嫁達にまだ貢ぎきれてないんだけど!!

え、どうしよう、、、まじもう誰でもいいから来て一人でいるとネガティブなことしか考え付かない


よ、よし、、ここから出られたらしたいことを考えよう




まず、童貞の卒業の為に恋人が欲しい
いや、彼女はいたんだ、、、いたけど、、みんな交際して一週間で別れた
理由?
従兄弟の馬鹿くそインチキイケメン従兄弟が器用に交際して三日目でデート中に毎度鉢合わせてくれるおかげでみんな従兄弟に目移り

あれ、これは彼女作っても無限ループじゃね
お店行かなきゃ一生童貞じゃ、、、、


いやだぁぁぁあああああああ



頭を抱えていると襖が開いた

「おい」

『お、お願いします、、命だけは勘弁してください』

っと入ってきた人にタックルする勢いで泣きつく
勢いあまってその人を押し倒してる感じですがそれどころじゃない

「お、おい、、落ち着け」
そういって俺の頭を撫でてくれる

『お、俺まだ、、、うぅ、、ぐすっ、、童貞なんですよ!!すっげー美人な彼女作って至に自慢するまでは死にたくないんです』


そう言いきると撫でている手に力入れられた
もうね、ゴリラの如くすごい握力!


『い、痛い、痛いっ、、、痛い、痛い、、、頭、、く、砕かれる』
なにこの人、、、もう握力やばい
ゴリラじゃねーの?いや、絶対ゴリラだよと思い顔を上げるとそこには金髪インテリ系イケメンのお兄さんがっ

、、、もちろん俺のこと睨んでます

『あ、す、、すみません』
俺は急いでその人から離れて正座

怖っ、、メンチの切り方とか本物だよ(多分)
ヤの付くご職業の方だよ(多分)


「ったく、自分がどんな状況かわかってるのか?」

『い、いえ、、』

「あ゛ぁ゛!」

『ヒィー!!待ってください、俺何かしましたか?」

「おい、借金踏み倒そうってか?」

『しゃ、シャッキン?」

「テメェ、俺から借りた300万、、今日中に返せって話だっただろ」

『えっ、?えっ、、、、、えぇっ?!』

何回言えば気が済むんだよ、と蹴りが腕に、、、、

『うぅ、、イタイデス』

ってか、これ新手の詐欺じゃん
巻き込まれちゃったやつね、、、

『あの、嫁に貢ぐんで300万なんて用意できないです』

「テメェ、、借りた金が返せないってどういう了見だ」

『お、俺金なんて借りてないですよ、、第一に俺あなたと初対面』

「、、、、はっ?」

はっ、、じゃねーよ!!!!!

「お前、山田じゃないのか?」

『誰だよっ!俺は茅ヶ崎悠貴、ここら辺の大学に通う一般ピーポーです』

そう高らかに宣言するとお兄さんが部屋から出て行った
まぁ近くに部下さんいたんだろうね
襖に耳を近づけなくても誰かが殴られているであろう音するし


再びお兄さんが戻ってきた
「すまなかった、人違いだったようだ、、」

やっと緊張感から開放されて俺のお腹は自己主張するように鳴った


「、、、、、」

沈黙が辛いわっ!!!
くっそー、勘違い拉致の次はお腹の大合唱かよ
なんだ、今日は厄日か?!


『あ、あの、、、お腹すいたんで帰っていいですか?』

「、、、待っていろ」

そういって出て行ったお兄さん
待たせるんじゃなくて、帰らせて
なんで、俺待たせんだよ?!

部屋でしばらく待ってるとお兄さんが戻ってきた
ってか、襖開いてたなら帰ればいいものを俺は何で律儀に待っていたんだ


「ほら、食え、、まぁ、、、美味いかわからんがな」

そういって出された焼飯
うまそーっ!!!

『えっ、不味いんですか』

「あ゛ぁ゛?!テメェの口に合うかわからねーって意味で誰も不味いなんて言ってねーだろ」

『す、すみません』

「ったく、、、さっさ食え、俺が作ってやったんだから残すなよ」

おお、、、ツンデレですか?


『いただきます』





、、、、甘っ!!
え、え、、、ちょ脳内パニック
なんで焼飯甘いの?
塩と砂糖間違えた感じ?
こんなしっかりしてそうな人がドジ?
いやいや嫁なら笑って許せた
だがな、、、三次元は許せない!!!!
文句言ってやらねば


「ど、、、どうだ?」






『うまいっす』


無理無理!!!!!
文句言おうにも相手が握力ゴリラだぞ?
金貸しだぞ?
俺消されちゃう

っと0,5秒で判断し褒めることにした
第一にお兄さんが作ったって思うからダメなんだ
金髪のドジ嫁が作ってくれたと思えば

はっ!
皇帝が、赤王が作ってくれたんだと思えば、、うぉぉぉおおおおお
勢いよく食べていれば

「そんなに美味いか?」と聞かれた

『あぁ!俺の為に(赤王が)作ってくれたと思うと尚更美味い』

ニカっとしたあざとい笑顔も忘れずに

お兄さんは驚いたように目を見開いては顔を逸らした
うん、耳が真っ赤

ギャルゲなら、今のでもうルート決まっていただろう


あぁ、、、早く帰って嫁に会いたい

(はっ、今日至のヘルクエ手伝う約束してた日じゃ、、、、まぁ、いっか)

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