star×me
□4.旅の合間
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悪魔戦を無事に終え、今はアヴドゥルさんに治療を施されている。
どうやら私のスタンド、治癒能力は私の体力が代償らしい。
サブからストップがかかってしまったので、槍の怪我はこうやって手当てするしかなかったんだ。
今はみんなそろってジョースターさんの部屋にいる。
避難させていた家出少女は寝ちゃったから、後で抱っこでもして部屋に連れていこうと思ってるよ。
「朝陽はやることが無謀なんだ。鏡を割るなんて危ないじゃあないか」
「すみません…」
「全く…無事でよかった」
治療を終えて、一息つく。
さすがアヴドゥルさん。終わるのが早い。
それにしても、こんなのがずっと続くのか。
もう少し刺客を減らして平和的な解決できないのかね。
ぜひそれをお願いしたいんだけど。
花京院からまだ治療を受けているポルナレフが首だけをこちらに向けて、そういえばと言った。
「まだ礼を言ってなかったな。ありがとよ。助かったぜ」
「まあ、ここまで世話してもらってる身だからね。どういたしまして」
「話があるんじゃが、」
今までにこやかにアヴドゥルさんと話していてジョースターさんが、おほんと声を鳴らす。
今後のスタンド対策か、それとも旅路の話か。どちらにせよ、ジョースターさんの提案に任せればいいような気もする。
「君がスタンド使いであることは、今回で判明した。気づいたら漂流していたことも嘘ではないと思っている。そこでだ、このまま旅に同行してほしい」
「ジョースターさん!」
アヴドゥルさんがジョースターさんに向かって叫んだ。
さすがにそれは危険なのではないかという心配だろう。
自分を守ることで精一杯なのがこの現実。
たったこの短い期間で3度も命の危険に晒された。
今回に至ってはわかってて突っ込んだ。
でもさ、ここまで来たら……情がうつるもんじゃない?
救済したくなるもんだよ。
「だが、先ほど見せてもらった朝陽のスタンド能力でわかっただろう?治癒させて武器を複製させる能力…。敵に回すと厄介なものだ。それに、今家に帰したところで安全は確保できん」
「…」
「あの、私は同行したいと思ってます。スタンド能力が戦闘タイプでないことも、力不足なのもわかってます。けれど、役に立てると思うんです」
「朝陽…」
「ただ、私は目的を知らないんですよね。なぜみなさんが旅をしているのか。なぜ襲われるのか」
これくらいは聞いておかないと、この後口を滑らせたら大変だ。
何も知らないはずの私がDIOと戦うのもおかしいし。
ついでに曖昧だったことをしっかりと確認したい。
それからしぶしぶジョースターさんが全てを話してくれた。
ジョースター家のこと。
祖父の体を奪ったDIOのこと。
DIOの呪縛によってジョースター家のスタンドが引き出されたこと。
それによってホリィさんが苦しんでいること。
解決方法はDIOを倒すしかないこと。
曖昧だった記憶が糸を紡ぐように思い出せて、ホッとする。