◆私だけの新荒(旧)◆

□《ボクらのレーパン》
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泉田がスマホで自録りしながら何か語っている。

泉「みんな知っていると思うが念のため説明しておこう。レーパンの中身はノーパンだ!下着との摩擦を減らすためなんだ。そしてレーサーともなると、更に摩擦抵抗を無くすため内股にローションを塗っているんだよ!」
黒「カメラ目線で誰に語ってるんだ塔一郎」




部室でジャージに着替えている荒北を、新開はじっと眺めていた。

新「なぁ、靖友」
荒「ン?」

新開はベンチに置いてあるワセリンの瓶を手に取って言う。

新「このワセリン、オレに塗らせてくんない?」
荒「ハァ?」


それを聞いていた真波がすかさず挙手する。

真「ハイ!オレも!オレも荒北さんにワセリン塗りたいです!塗らせて下さい!」

更に黒田も参戦する。

黒「待って下さいよ。どう考えてもそれは荒北さんの舎弟であるオレの役目でしょう。新開さんも真波もソコどいてくれませんかね」

荒「オメーら、ワセリンをサンオイルと勘違いしてねェか?」


そこに泉田が口を挟む。

泉「まぁまぁ。ここは平和的にジャンケンで決めましょうよ」
黒「塔一郎、オマエは関係ねーだろ。すっこんでろよ」

泉「ボクは皆の記録が撮りたいだけさ。さぁ、じゃーんけーん……」

泉田が号令を掛け出したので、攻メン達は慌ててジャンケンに参加する。

泉「ぽん!」



真波……パー
黒田……パー
新開……チョキ


新「ぅおらっしぇぇあああっ!!」

よくわからない雄叫びをあげ、新開は拳を振り上げてガッツポーズをする。


新「さあ!靖友!カモーン!」

新開は鼻息を粗くし、両手にワセリンを塗りたくって荒北をコーナーに追い詰める。

荒「カモンて、オレぁ了承した覚えは……ちょ、待て!」

荒北を押し倒してレーパンの中に両手を突っ込む新開。
真波と黒田は駆け寄って覗き込む。
泉田はその様子をパシャパシャ撮影している。

荒「オイ!違う!ソコ違う!どこ握ってンだコラ!」
新「ごめん、手がぬるぬる滑って」

荒「入ってる!指!指が入ってるってェ!」
新「おかしいな。指が滑ってついつい」

荒「抜けッ!新開ッ!その指を抜けーッ!!」
新「ああ靖友、そんなに暴れたら滑ってもう1本入っちまう」

荒「やめてッ!もうやめてェーーッ!!」



バーン!!

東「貴様ら!いつまで着替えとるかーっ!!」
全員「!!」

その時東堂が部室の扉を開け、全員が飛び上がる。

東堂は場の惨状を見渡して怒鳴り散らした。

東「真波!そのヨダレを拭けみっともない!黒田!床が貴様の鼻血だらけだ掃除しろ!泉田!最近我々の恥部を学園裏掲示板にやたら投稿していたのは貴様か!全て削除しろ!荒北!隼人はもう気絶している!それ以上殴ったら本当に死ぬぞ!何があったか知らんがラスト1発にしておけ!」




レーパンの中には夢がいっぱい、秘密がいっぱい。
街でロードを見掛けても、レーパンを凝視してはいけません。





おしまい



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