西尾維新系
□展開が待ちきれず妄想してみた(小説)
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「とがめっ、とがめ――とがめっっ!!!」
焦げくさい。
あの火縄銃の小型版のような――勿論、そんなものが存在しえるはずがないが――から、発射された弾丸によって貫通されたとがめの腹部からの臭いだ。
肉が、焦げている。
「不悪。虚刀流よ、そこの飛騨容赦には死んでもらわねばならない。それは、先の大乱の首謀者の娘だ」
さぁ、そこをどけ――と。
もう一度、回転式銃の先を、容赦に向ける。
「知ってるよっ!!――でも、とがめは…とがめだっ」
倒れているとがめに背を向けて、左右田右衛門左衛門と対峙する鑢七花。
四季崎記記が遺した変体刀十二本――否、十三本。
十二本目と十三本目。
炎刀『銃』と虚刀『鑢』。
――いざ
「……不禁。虚刀流よ、その行為は私に敵対すると判ずるが、いいか?」
「――あんたとは、何か気が合うと思ったんだけどな。 上等じゃねぇかよっ!」
開戦。
「悪ぃけど、とがめが危ねぇんだ――さっさと終わりにさせてもらう!」
「そうしたのは私だ、知っている――が、直ぐに終わらせる気もないが」
この場合、不利なのは七花だった。
彼は右衛門左衛門の懐に飛び込み、技を発動させる必要がある――しかも、とがめが死ぬまでという時間制限付き。
対して、右衛門左衛門は遠距離攻撃が可能だ。そして時間制限が、ない。
だが、七花には確実に負けない自信があった。