ルミナリア
□マクシム・アセルマン
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ふわふわとした白い毛の塊を撫ぜる。
膝の上に乗ったそれは、小さな三角形の耳をピクピクと小さくひくつかせたものの、そのまま何食わぬ顔で目を閉じていた。
『ふわぁ』
欠伸を1つ噛み締める。
イーディス騎士学校から出て、ルディロームの街へ向かう途中にある広場のベンチで、お昼ご飯を食べていたら、白い猫が膝の上にやって来て勝手に丸まってしまって、こちらが食事を終えても猫は膝の上に居座ったままだ。
近くにいた同じ制服を着た数人の学生達が昼食を終えてぞろぞろと学校の方へ戻って行くのを眺めながらどうしたものか、と考える。
『午後は……今日は自主訓練だけだし、もう少しだけいっか』
そう呟いて、暖かな陽射しと軟らかな風の中ひとり猫を撫ぜた。