長編
□開始
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開始
ルーク様、17歳。
そして、運命の日。
ND2017 レムガーデン・レム・23の日
「え、今日ヴァン師匠が来るのか?」
「はい、何やら急な訪問のようで、何かあったのかもしれませんね」
そう言いながら、私はルーク様とお喋り中である。
私は彼の部屋の掃除の休憩をしていた所で、ルーク様は剣術の休憩中である。
最近、私の仕事は屋敷の掃除がメインで、ルーク様と話す機会は結構減った。
主な理由として2つ。
1つは勉強の内容が帝王学などといった専門的な物になったため、家庭教師がつくようになった事。
もう1つは、年頃の男女が四六時中傍にいるのは良くない、との事。
確かに、ナタリア様という婚約者がいるのに、私のような侍女が一緒にいるのもまずいだろう。
精神年齢7歳とはいえ、見た目年齢17歳。
私は20歳。うん、これはまずいだろう。
「一体なんだろうな」
「ファブレ公爵からグランツ様がいらっしゃったら応接室に来るように、ということなのですが……。私がお呼びしましょうか?」
さりげなく、会う口実を作る。
きっと、もうそろそろ剣の稽古が再開するだろう。
「分かった、そうしてくれ。俺はこれが終わったら部屋にいるから」
「ではこれで私は失礼します」
私もそろそろ部屋の掃除に戻らねばならない。
「じゃあ、また後でな!」
その声を聞くと、礼をして、私は仕事に戻る。
ルーク様のお部屋掃除の次は、玄関掃除である。
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