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□Act.13 迷子幼女と短髪警官と交番
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注意:現代風 歳の差
Act.13 迷子幼女と短髪警官と交番
「うぇ、ひっく、ひくっ!」
「な、なぁ。もうそろそろ、泣きやんでも良いんじゃねぇの?」
ここは、バチカル交番。
ちょっと世間知らずなルーク刑事は今、迷子の相手をしていた。
***
「うっ、うん……。ご、ごめんにゃしゃい……」
お兄さんの言い方にびっくりした私は、涙目のまま、頷く。
「あー、その、今ティアが、っと、さっきの女の人が、君のお母さんを探してくれるから、な?」
「う、はい……。お兄さん、ありがとう」
「おう、気にするな。そうだ、俺の名前はルークっていうんだ。君の名前は?」
ちょっと落ちついてみてみると、お兄さんは爽やかに微笑んだ。
「……ナナシ、です」
「ん、ちゃんと言えるんだな、えらいえらい」
壊れ物を扱うかのような手で、ルークお兄さんは私の頭を撫でる。
くすぐったい……、でも、同じ小学校の男の子とは全然違って紳士だ。
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