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□Act.12 パティシエと長髪お坊ちゃんとティータイム
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注意:現代


Act.12 パティシエと長髪お坊ちゃんとティータイム


「お前か?ここの菓子を作っているの」


いきなり裏口からノックされたかと思いきや、扉は既に開いていた。


「っ、いきなり何なんですか!……店の入り口は表ですし、今日は定休日ですよ」


唐突で上からな言い方に一瞬頭にきたものの、すぐに冷静さを取り戻す。

そうだ、相手がお客様だったら大変だ。


「俺はファブレ家の長男、ルーク・フォン・ファブレだ。

この店の菓子が気に入ったから、作っている奴をうちの専属パティシエにしようと思ったんだ」


「なっ、ななっ……!?あのファブレ公爵家〜!?」




私、ナナシはパティシエールとして働く一社会人。


数年前に学校を卒業して職人として働き、一年ほど前から店の方針にも加わっている経営者としても働いている。


そして、ここ最近、ある貴族の使いの人がよく私の創作菓子を買って行ってくれるんだけど、全部買い占めるからちょっとドキドキしていた所だった。




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