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□Act.4 後輩と先輩と思春期
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注意:現代・学園
Act.4 後輩と先輩と思春期
「ん、やればできるじゃん」
頭を撫でるのは、兄の友人、ルーク先輩。
ここは私の家のリビング。両親は仕事で、姉兄はそろそろ帰ってきます。
「えへへ、あ、ありがとうございます。ルーク先輩のおかげです」
そう言うと、ルーク先輩は一瞬顔を曇らせる。
「いや、双子の兄に敵わないんだ、まだまださ」
「そんなこと!」
そう、ルーク先輩は双子で、アッシュという兄がいる。性格は天と地ほど差がある。
「(もちろんルーク先輩が断然天使です)」
「ナナシ、何か言ったか?」
「いえなんでもありませんよ」
兄がいたおかげでルーク先輩とも知り合えたし、兄と私を呼び分けるため、名前で呼んでもらえる。
これほど素晴らしいことがあるだろうか、いやない!
「ルーク先輩の教え方は素晴らしいってことです!」
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