王道学園物ブック
□容姿だけのD組君
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ねむい...教室行くの明日でいいかなー
今の時刻9時15分。今から行ってもどうせ間に合わない。イコール行く必要性を感じない。どうせ今入学式でしょ。二度寝しよ。
コンコンコン
気持ちよく眠っていた俺の二度目の眠りはノックによって妨げられた。なんだよ。俺この学校に知り合いいないよ。俺の部屋番も理事長と俺しか知らないはずだし。
「朱宮二色君でしょー。早く開けてくんなーい?」
知らない。こんな声のやつは俺の知り合いにはいない。知らない人に部屋のドアをノックされたら?みんなならどうする?俺ならシカトして三度目の眠りにつく。
うとうとと三度寝をしようとしていたら、なぜかドアの方からピピッとドアの開く音がした。気のせい気のせい。俺は構わず寝ようとした。
んだけど、
「朱宮二色君。早く起きないと狼さんが食べちゃうぞ」
その声を聞いた途端、まず横にあった時計をそいつに投げた。ガツンとなんとも痛そうな音といった!という声が聞こえる。その後毛布をそいつに被せた。
「お前なんで俺の部屋番知ってんの。なんで鍵開けれんの。不審者かよ」
一通りの事は言った。だけど押さえ付ける力は緩ませない。小さい頃から誘拐されてた俺はこういう事は日常茶飯事だった。その度親父の秘書的な人に助けてもらってた。それでもいつも助けられるかと聞かれたら厳しいわけで、護身用にスタンガンをもたされてた。当時なんて物騒なとか思ってたけど。あれね。それでスタンガンって1回やっただけじゃすぐ復活しちゃう事を知った。そっからスタンガンの扱いだけは驚くほど上達した。話がそれた。
なんかこういう説明訳わかんなくなるから、簡単にいうと油断大敵?って感じで小さい頃から色々学んでた。しかしどうだろうか。俺の必死の押さえ付けからやつは呆気なく出てきてしまった。どうして忘れてた。俺は運動0点だったじゃないか。いっつもスタンガンで相手を打ち落としてきたから強い気になっちゃってたんだけど俺親からの遺伝容姿だけだから!運動神経とか皆無だから!
「冗談冗談。あながち冗談じゃないけど...君D組だから力強いと思ってたけど...なんかやばいね」
冗談か冗談じゃないかどっちかにしなよ。そして何その悲しい視線。なにがやばいんだよ。俺だってこの寮スタンガン持ち込みありなら勝ってたわ!俺が愛用しているスタンガンは今頃理事長室に...むかつく。
「ってかなんなの!?俺今から寝ようとしてたんだけど邪魔すんな!」
「え、いやいやいや君寝てたんじゃないの?今11時だし!」
そう言われて転がってる時計を見ると11時5分を指していた。11時なんて入学式が終わって教室行ってみんな寮に帰る時間じゃん。俺昨日のうちに何するかちゃんと見たから間違ってないはず。意外と真面目だろ。あ、行くか行かないかは別ね。
それにしてもこいつは見た事あるような気がする。つい最近。この学園に知り合いいねぇし来てからだったら昨日しかねぇじゃん。
「あ、生徒会会計か」
「え、遅くない?気付いてるもんだと思ってた!」
んな昨日今日ですぐ分かるか。
「俺の顔ってネコちゃんたちに人気あるからすぐ覚えられると思ったんだけど...君ネコっぽいのに...」
なんで?とでもいうような表情で言ってくる。こいつの顔は猫に人気があるのか。いやなんだそれ。しかも俺動物じゃねぇよ。ちゃんとした人だからな。
「んなことよりなんで来たの。何の用。会計様」
「いいやー俺今日から君と同室なわけー」
「は、無理」