瞼の外

□始
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瞼を閉じてごらん。




瞼を閉じても、眼球はその、瞼の裏をまだ見つめている。




本当の闇がほしいかい?




それならそのまま、第2の瞼を閉じてごらん。









気がつけば、そこは、光すら届かない常闇。




そして、その常闇の中にあるのは、金色の川。




美しく、また、奇怪。




そして、踏み出そうとすれば、声がする。




『駄目だ。それ以上、その川には近づくな』




見たことも、会ったこともない、白髪の男が、制止の声をかけるのだ。




そして、そこで、瞼を開く。
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