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□こんにちわ赤ちゃん
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ガッ。
ガタッ。
バタッ。
「あの・・・スネイプ先生、だ、大丈夫ですか?」
『こんにちわ赤ちゃん』
今日の天気は晴天。
温かな風が頬をくすぐるはずなのに、ここは地下室だから季節を感じられないけど・・・スネイプ先生ってばさっきから上の空だし、机にぶつかるし、躓くし、最後なんて転んじゃってるし大丈夫かしら。
まぁ仕方ないわね。
奥さんは陣痛が来たらしいから気になるのね。さっきから笑ってるハリーにもロンにも・・・というよりグリフィンドール自体に全く減点しないもの。
ところで私スネイプ先生にあんなに素敵な奥さんがいらっしゃるなんて思いもしなかったわ。ちょっと、あー陰湿な感じするし・・・髪もほら・・・ね、(笑)おっほん。先生もなんだか奥さんといる時はすごく雰囲気が柔らかいのよ。本当に愛し合ってるのね・・・羨ましいわ・・・。。え?なんで知ってるのかって?先生ったら産まれで落ち着くまでって条件でホグワーツに一緒に住んでるのよ。ちなみに今は医務室で助産師さんを呼んでお産してるみたいよ。情報の出どころは双子よ!で、ほらね!意外と心配症なのよ(笑)初めて奥さんが大広間に来た時なんて、ロンはスネイプ先生の顔があんまり優しいものだから自分のズボンにゼリーを全部零してたわ・・・。
「ねぇ、ねぇったら、ハーマイオニーさっきから誰と話してるの?」
「・・・っは!やだ私ったら。いいの、何でもないわ!ところでスネイプ先生大丈夫かしら。おでこの・・・ほらたんこぶ。凄くいたそう。」
「うそだろ!?心配してるのか!?あのスネイプを!?」
「ロン、少し言い過ぎじゃないかな・・・(笑)それにほら最近は奥さんがいると減点もしないし・・・優しく授業もするしさ」
「気味悪いだけだろ!!」
ハリーとロンとこそこそ話す私たちだけど、いつもならすぐにスネイプ先生が減点するはずなのに、今は全く上の空。ネビルの頭を撫でてるみたい。
「ありゃ重症だよ・・・」
「そうね。」
ドンドンドンドン!!!!
ロンと肩をすくめて話していると急に扉を盛大に叩く音が聞こえた。上の空だった先生は我に帰ったのか扉まで飛んでいくとすぐに教団に戻ってきて早口に言葉を投げ捨てて出ていった。
「自習だ。」
多分普段のグリフィンドールなら、盛大に手を上げて喜んでいたでしょうけど今日は違うわ。
「産まれたのかしら?」
「何か問題あったのかな・・・アヤメさんも赤ちゃんも何ともないといいけど・・・」
「ロンもそんな事言うんだね(笑)」
「ハリーも気になるだろ?アヤメさん小さかったし心配だよ・・・」
「あなたの奥さんじゃないのよ?ロン。スネイプ先生がついていれば平気よきっと。」
無事に生まれたら、自宅に帰ってしまう前に一度抱かせてもらえないかしら・・・。
楽しみを感じつつ魔法薬学の本に目を通した。
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