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□こんにちわ恋心
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「はぁ・・・。」



何の変哲の無い、平日。
ため息が出るのは次の授業がグリフィンドールとスリザリンの合同だからかはたまたこの可愛らしい手紙のせいなのか。

もしかしたら両方かもしれない。

地下にあるひんやりとした部屋で、一人胃のあたりにモヤモヤするような嫌なものを感じる。しかし休んでもいられない、時計を見ればそろそろ授業のある教室へ向かわなくてはいけない。どうにか普段通りにマントを翻して颯爽と歩く。


「スネイプ先生っ」

「何か用かn・・・っ!!」

「えへへ、来ました。セブルスさん」


胃が爆発するんじゃないかと思った。





『こんにちは恋心』





親愛なるセブルスさんへ。

より一層冷えてきましたね。
ハロウィンが終わればもうすぐ
クリスマスですね。
お風邪を引いたりはしていませんか?
ところで、クリスマス休暇とは別に
何日か休暇を与えたと
ダンブルドア校長先生から
お手紙を頂きましたが
忙しいのでしょうか・・・
前にも書きましたが、
逢ってお話したいことがあるのです。

せめて一文でも良いので
お返事をいただきたいです。


アヤメより。



そう書いた手紙が私に届いたのは、思い返せばふた月ほど前だったように思う。授業が忙しいこと課題やらなにやら追われていたのを言い訳に手紙の返事を出さず、とっくにクリスマス休暇までも終わっていた。ここ何日か手紙は来なかったものだから諦めたと思っていたが・・・・・それは違ったようだ。

胃を痛めたその手紙はたった一文。




親愛なるセブルスさんへ。

明日の午前中に伺います。

アヤメより。




そうして冒頭に戻るのだが
話しかけてきたミルクティーのような甘ったるい髪を飾りっ気なく下ろし、冬だというのに寒くないかネイビーのワンピース(タイツも履いているようだ)を着た小柄な女性。彼女こそが我輩へ何度も懲りずに手紙をよこし、そして予告通り午前中に現れた私の妻、アヤメその人だ。



「あー・・・なぜここへ。」

「とぼけないでくださいよ、セブルスさん。何度もお手紙差し上げたのに!」

「すまない、だが我輩は忙しいのだ。午後からの特急で家へ帰りたまへ。話は帰ったら聞こう」

「そんな事言って全く話を聞いてくれないどころか何ヶ月も帰ってこられないじゃありませんか!」



もう1度すまないとだけ口にして、教室へと向かう。

「結婚してからまともに一緒いたことがありません!時々ちょっと、一緒に寝るくらいで・・・えっと、だからお話なんてしっかりとは・・・ってセブルスさん聞いてますか!?」

私の後からパタパタと小走りで走りながら小言が止まらない彼女がついてくる。よくまぁ、そんなに喋っていられるなと感心する。


「すまないがこれから授業がある。最後の授業が終わったら時間があるからそこで良いかね。」

「はい!構いません!!待ってます!頑張って下さいね!」



嬉しそうに手を振る彼女に、苦く笑いを向けて先程よりも早歩きでその場を離れた。






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