マギ

□甘い気持ち[ジャーファル]
1ページ/1ページ

ジャーファルside

いつからだろう…
あの方を目で追っていることに、気づいたのは…


彼女は王宮で働いていた。
王宮で働く女性はたくさんいるのに…
なぜだろう…
彼女は特にキラキラと輝いてみえた。
「はぁ…」
「またシホさんみてるんですか?」
っ!?
「ピ、ピスティですか…
驚かせないでください…はぁびっくりした…」
私としたことが…
気配に気づかないくらい夢中だったのかと反省する。
ん…?
…また?
「あ、あの…ピスティ?
また…とは?」
「え?みんな噂してますよー?
ジャーファルさんがシホさんのことをすっごく優しい瞳でいつも見つめてるって!」
ジャーファルさんのあんな優しい顔、私びっくりしましたよー!
なんて笑うピスティに頭がついていかない。
え、え…と…え!?
「え…と、まさかバレてないと思ってたんですか!?」
そう…そのまさかだ。
見つめていると実感し始めたのは最近で…それからはバレないようにとしてきたはずなのに…
「あっ!それじゃあ私はお邪魔みたいなので行きますね!じゃあまた!」
「は、はい…また…」
お邪魔…?
「…ジャーファルさん?」
っ!!
「っ…シホさん!?」
「は、はい…あの驚かせてしまったようで…すみません。」
「い、いえ!私の方こそ…」
ふたりして謝ってなんだか…
「ふふっ…なんだかおかしいですね。」
ふわっと微笑む彼女に
トクン。と胸が高鳴るのを感じた。
ああ…そうか…
どうして気づかなかったのだろう。

「好きです。」
「え…?」
柔らかな風が2人の間を流れる。
「シホさん。私はあなたが好きです。」
ずっと…
ずっと前から…
そして、これからもずっと…
「っ…私も…お慕いしてっ…」
彼女が最後まで言い切らないうちに私は彼女を抱きしめていた。
ああ…これを幸せというのだろうか…
「好きです。」
「私も…っ」
愛してる…
そうささやき私は彼女に口付けた。



それは…
とてもとても


甘いクチヅケ…
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ