SERVAMP(BL)

□吸血衝動期⁉
1ページ/1ページ

「はぁ…あっ…はぁはぁ、リヒ、、ト…」

ある日の夜の路地裏
5番目の真祖ロウレスもといハイドは苦しそうな息づかいをしている。
いつもは何も無かったバイトの帰り、突然起こった胸の痛みと喉が乾く感覚。

「く、るしい。りひとぉ~」

少しづつ酷くなっていく喉、立っていることが精一杯だったが今は座り込んでいる。そのに

「あ?クズネズミ?」

っと声がした。
意識が朦朧とする中ハイドは顔を上げ声の持ち主を確認する。そこにはハイドの主人のリヒトが立っていた。

「リヒたん?」

リヒトだと理解したとたんに
ドクンッと
胸の痛みと喉の渇きが一層激しくなり再び顔が下げる。

「ぁ、ぐっ、うぁっ…、いた、い」
「おい!どうした、ハイド」

胸を押さえ苦しむハイドに、近寄るリヒト。

ドクンッ
再び、激しい衝動がハイドを襲う。喉の渇きがまた酷くなった。

「まっ、てリヒト、近づかな、いで」

リヒトが近寄るたびに痛みと渇きが酷くなるのに気づいたハイドは近づかないように言う。
だがリヒトは聞かずだんだん近づいていく。

「ちょ聞いて無かったんスか」
「知るか、それは俺が決める」
「ほん、とにも、ダメだから、、」

一歩また一歩近づいて来る。
目の前までに来たとたんになにかが切れたように意識が飛んでしまい目の前が真っ暗になった。

「おい、ハイド?」

っと問いかけるが聞こえていない。

ダン!!!!
ものすごい速さでリヒトを壁に押し付けたハイドはそのままリヒトの首に顔を近づける。

「まさか、ハイドお前」

何かを察したリヒトの顔は血の気が引いていた。

がブッ!


「いっ‼」

牙が皮膚を貫いた激しい痛みで首からハイドの頭を離そうとしてもあまり力が入らない。
一心不乱に噛み付くハイドをみてもう自分の声は聞こえてないと確信するリヒト。
体の自由が利かなくなり始め、ハイドの頭を押さえていた手に力が入らなくなりだらんと垂れ、頭の中にモヤがかかったような感覚に襲われる。痛みと感じたことのない感覚に翻弄され、うめき声も上がらない。

「はっ、ふっ、、、んっ」
「/////んっ」

息継ぎのために一旦牙を抜き再び首元に牙を刺し血を飲み始める。二度目に与えられる痛みと快楽に身をよじりるリヒト。

「……………」

意識が少し戻ったハイドは快楽から逃れるリヒトを分かりつつも少し強めに噛む。

「いっ…んっ////はっ」

グチッチュッ

強く噛んだ後に出る大量の血がとても甘く、何度も牙を刺したりギリギリまで牙を抜いたりする。それがもどかしいのかリヒトはハイドの体に手を回した。

「ハッ、ハイド……うっ、いいかげん、に、しろよ」

痛みと快楽を抑えてハイドに訴える。リヒトの声を聞いて首から顔を離しすハイドを睨みつける。かなり近い距離で顔を見合うかたちになり、普段からお互いの顔をあまり見ないので恥ずかしく思い目を背ける。そんな中、思い出したかのようにハイドが口を開く。

「あ、あの、リヒたん、その、…ご、ごめん」
「…………」

黙っているリヒト。顔を伏せたため、どんな顔をしているかわからない。様子を伺うためリヒトの顔を覗き込んだ。

「…えっ?……」

驚くハイド。驚くのは当たり前だなぜなら、
泣いていたからだ。あのリヒトが泣いている、想像もつかない展開に動揺する。

「あっ、えっとねその、急に目の前が真っ暗になって」
「…………から……」
「リヒト?」
「お前がいつもとち、違う顔をして、るから怖くて」
「リヒト」
「お前がいつもしないことするし…」
「リヒト‼」
「!!」
リヒトの肩を掴むハイド。

「んっ…ふんっ、くちゅ」

驚いた勢いで顔を上げるとハイドがリヒトに唇を押し付けた。ほんの少しの隙間から舌を入れる。

「あっ、んぅは、いど」

突然起きたことに驚きながら口の中に広がる血の味と異物感に眉をひそめる。ハイドは逃げ惑う舌を追いかけ、絡め、離さない。逃げ腰のリヒトを抱き寄せながらより深く口づけをする。「ふっ、、ん」と息苦しそうに口の隙間から漏れ出る声にハイドの欲が高ぶっていく。せめてもの抵抗にと服を掴んでいた手は今ハイドの胸に添えている状態。顔全体が熱くなり、足に力が入らなくなったリヒトに限界と気づいたハイドは唇を離す。二人の口元に銀色の糸が一本できていた。壁にもたれかかりズルズルとしゃがみむ。肩で息をするリヒトにハイドは

「ごめんっス、また。」
「………ん、」

リヒトの目の高さまで目線を合わせ謝罪しようとするが今のリヒトには何も聞こえていない。汗でへばりついた前髪を手で払いながら額に触れるだけのキスをした。そんなことをしているとは思っていないリヒトがくすぐったさを感じ、見上げるといつも見慣れているハイドの顔があった。さっきまでの血に飢えている怪物のような目ではなく、心配そうに自分を見つめる目。ああ、いつものハイドだ。と思いつつ少しだけ微笑んで見せる。そんなリヒトを見たハイドの顔は真っ赤になった。そんななか、

「リヒト、ごめんそして、帰ろ?」

と聞けば

「ああ」

と返ってきた。立ち上がろうとするリヒトに手を差し伸べる。しかし、足に力が入らないず立ち上がれないリヒトにハイドは照れくさそうに

「あ〜〜、もしヒリトが良かったら、その……おぶってやってもいいっスよ///
なんて!冗談っスよ冗談」ははは

と誤魔化しつつも携帯でタクシーを呼ぼうとしていると

「………………おい」
「何、リヒ…‼」
「んっ」

ハイドが目にした光景はリヒトがおぶれと言っているかのように両手を広げている。照れくさいのか顔は横を向いているが確かにそううったえている。

「ほら、帰るんだろ?//// おぶってくれ」
「〜〜〜〜!了解っス‼」

滅多にでないリヒトのデレに戸惑ったハイドだか嬉しそうに返事をする。リヒトに近寄り、お姫様抱っこをした。

「んっしょっと、リヒトって以外と軽いんスね」
「当然だ、俺には天使の羽が付いているからな」どやっ

なんで会話をしながら二人は街の闇に消えていった。


END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ