夕時雨
□花散らし
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…れ
…っぐれ!!
しぐれ!!!!
やけに高い声が耳元で聞こえる
まるでフルートを耳元で吹かれたような
高くて繊細な声
「…夕立?ごめん、僕大破して…その後…」
その後、どうなったんだったっけ。
というか、夕立何処にいるの?
夕立、ゆう…だち
「ここ!ここっぽい!目の前にいるっぽいよ‼」
目の前、そういえば真っ白だ。
僕失明したの?
「時雨、見えてないの?夕立ここだよ!ほら!目の前!」
熱が頬に伝わる、これは夕立の指だ
「大丈夫だよ、心配しないで夕立。寝たら治るさ。少し仮眠をとるよ。」
ぽい…という消え入りそうな声をだす夕立はどんな顔をしているのだろうか。やはり元気のない顔をしているのだろうか。