夕時雨

□きゃんきゃん
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きゃっ…

いきなり後ろから出てきた細い腕。
私なら察知することができるはずなのにどうして

力強く、そして優しく私の淡い2つのものに触れる

「少し大きくなったよね」

耳元から体温とともに私の一番好きな音がする。

「し、ぐれ…もっと…。」

無意識に欲しがってしまう。自分の想いには逆らえないのだと理解した。

「まって、今あげるから。夕立の一番好きなものを」

私の一番好きなもの、それは時雨の愛だ。
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