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□ああ、俺は
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「…ジャン、まだ食べてたんだね!
隣座っていい?」
「……食ってちゃ悪いかよ」
「別にそんなこと言ってないじゃない」
困った顔をしてサラミが隣に腰かける。
「…おい。何で隣に座るんだよ」
「ジャンが何も言わなかったから、良いのかなって」
ニコリ、サラミが笑う。
「あっち空いてんだろ!あっち行けよ」
「もう、何でそんなに冷たくするの。
怒るよ、ジャンボ」
「うぜえ! …まじで何なんだよ!
嫌いなんだよ!あっち行けよ!!」
ぐしゃぐしゃと髪を掻き乱してそう叫ぶと
いつもは突っ掛かってくるサラミが
珍しく、悲しそうな顔をした。
言い過ぎたかと後悔するも遅く
「…ジャン…ごめん、あっち行くね」
茶碗を乗せたプレートを持ち上げ、
サラミがサッとテーブルを離れた。
そんなサラミを追いかけることも、
謝ることもできずに ただ、拳を握りしめた。
あぁ、俺は
(( どうして、素直になれない))
( …悪い )
( ジャンのバカ!私だって嫌い )
( お前なんてこっちから願い下げだ! )
( っ、私こそジャンなんてお断りよ! )
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