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□ああ、俺は
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夕飯の刻





「エレンの隣、もーらい!」





アルミンが座ろうとし、椅子を引いた瞬間

その椅子に アルミンではない誰かが座る。





「サラミ、」




同じ兵団で俺の想い人、サラミだった。




「び、吃驚した」


「私も、エレンの隣」



サラミの登場に驚くアルミンと


驚いている様子はなく、

サラミと逆側の俺の隣にスッと座るミカサ。





「アルミンも、座ろ!」


「あ、あぁ、うん」





カタン、と小さな音を立てて


アルミンが向かいの席に座る。





「そういえば、明日の休日は皆何するの?」




サラミが俺達3人を見て、小さく首を傾ける。




「私は、少しやることがある」


「僕も、明日は部屋でゆっくりしようかな」




「そっかぁ…」



ミカサとアルミン、二人の返事に


しゅん、と下を向くサラミ。





「ち、ちなみにサラミは何をする予定なの?」




アルミンが落ち込んだサラミを慰めるべく、声をかけた。




「決まってなくて…でも、折角の休日だし

無駄にしたくなくて…エレンは、明日どうするの?」



サラミが、困ったように笑って俺を見る。





「サラミ、 えっと、その…」




゙ 明日は 俺も暇だし、一緒に出掛けないか ゙


その一言が言えないでいると、





「サラミ!芋ですよ、芋!」


「そうだぞ!暇なら明日は芋掘りだ」



隣のテーブルから、

サシャとコニーがパンを頬張りながら叫ぶ。




「芋、掘り…」


俺を見て、少し考えた後、サラミが笑った。




「エレンも暇じゃないみたいだし…

私もサシャとコニーと芋掘りしようかな」




「やったな、サシャ!」


「ええ!戦員確保ですよコニー!」




はしゃぐ二人に笑顔を見せるサラミ。


俺はテーブルに項垂れた。




あぁ、俺は


(( どうしてこうも、一歩が踏み出せない))


( 折角のチャンスだったのに )

( どうせ俺はヘタレだよ! )


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