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□あなたの香り
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寒い季節のなか、
雪が積もってないからと、屋外授業。
「…さむい。」
「こんな日に上着を忘れるなんて…!
サラミは、私よりもバカですね!」
上着を忘れ、小さく縮こまる私を見て
サシャが随分と楽しそうな顔をする。
「おっ!それなら、俺が暖めてやる!」
「やめて、もっと寒くなる。」
「「えっ(笑)」」
ふざけたコニーをさらっと交わすと
私の前には、愛しいあの人がいた。
「…ジャンボ!」
「…寒いなら、これ着とけ。
あと俺をジャンボって言うの、今すぐ止めろ」
「 でも…、ジャンボが寒くなる!」
「スルーかよ!俺は暑いから良いんだよ!」
「、ありがとう」
「へっ。別に、お前のためじゃ無いぜ」
奴はそう言ってのけ、
私に上着をかけた後、ちらり と振り返ってから
もとの場所へと戻った。
「ジャン…男前だね」
「ジャーンボ! 本当は、寒いんだろ」
「さ、寒くねぇ!
つかジャンボってやめろ死に急ぎ野郎!!」
「はっ、どーだかな。」
「ほら、正直に言ってごらん?」
「っ、いい加減にしてくれ!」
マルコとエレンにからかわれた彼が
声を荒げているなんて、私が知る由もない。
あなたの香り
(( そっと包まれて、目を閉じた ))
( うわ、顔真っ赤だぜ! )
( 本当です!まるでトマトですねっ! )
( うるさいコニー、サシャ! )
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