short

□何故、彼は
1ページ/1ページ






「……おい、サラミ」





挨拶をして通りすぎようとすれば

大分、機嫌の悪そうなリヴァイ兵長に引き留められた。





「…へ、兵長、なんでしょうか!」



「…てめぇ、何でそんなに
うざったい前髪してんだ」



「………は?」



「歩く度に落ちてくる前髪
見ててうぜえ。削ぐぞ」






――― シャキン






いきなり立体起動装置を構える兵長に
一瞬、思考が停止する。





「……えっと、兵長何してるんですか」



「俺は本気だ。
その前髪を削ぎ落としてやる」





どうやら彼には "ハサミで切る"
という選択肢は、無いらしい。




「いや、いやいやいや!おかしいですって」





これは危険だと察知した私が、

距離をとるのと同時に、兵長も動き出す。






「情けなんかかけねぇぞ。歯食いしばれ」



「っ、前髪ですよね!?
なんで歯食いしばるんですかあぁあ!」





必死で逃げても、すぐ追い付いてくる兵長。



これならどうだと、
私は急いで女子トイレへ逃げ込んだ。





何故、彼は



(( あんなにも必死に、私を追ってくるのか ))


( チッ……さっさと出てこい )

( 兵長!もう、諦めて帰ってください…! )



( …リヴァイ?
ここ女子トイレだよ?何してんの? )

( っハンジさん…助けて!! )



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ