short

□それでも
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゙ 今日、班の先輩たちがね ゙


゙ 次のお休みにね、街に買い物に行くの! ゙





同期の友人たちと楽しそうに話すサラミを
私はいつも、ただ遠くから見ていた。



何故、彼女がこんなにも気になるのか
自分自身、あまりわかってはいなかったが





゙ 私は、リヴァイ兵長が好きかな ゙





そう言って照れたように笑うサラミを見て
この気持ちに、気が付いてしまった。













―――――――夜。





いつのまに向かっていたのか、
気が付けば私は、サラミの部屋をノックしていた。



しまった、と思うより先にドアが少しだけ開く。








「誰、ですか…」



「誰だかわかるかい?」




゙声だけ聞いて、わかって貰えるだろうか ゙


勝手にそんな期待をして、返事を待つ。





「エルヴィン…団長?」





眠そうに目を擦るサラミが、
私が見えるよう、そっと扉を開ける。





゙ああ、わかってくれたんだね。 嬉しいよ ゙




そんな言葉を飲み込み、
綻ぶ顔を抑えて彼女に謝罪を述べる。




「サラミ、寝ていたのか。起こしてすまない」





「…いえ!あの、指令でしょうか?」






段々と目が覚めてきたらしく、敬礼をする。






「ははっ、腕を下ろしてくれないか?
私は、指令に来たわけではないんだ。」




そう笑って見せれば




「あの、団長。 何かあったのですか?」




彼女が不安そうに、私の様子を伺う。



その仕草すら、私には愛しく思えて
今すぐにでも組敷きたい衝動を必死で押さえる。





「少し、部屋に入っても良いだろうか」



「え、あ…どうぞ!」






カチャリと控えめな音をたて、扉が閉まる。





「団長。コーヒーで良いでしょうか?」



「ああ、構わないよ。
気を使わせてしまってすまない」



「いえ、お気になさらないでください」




そう言って立ったままでいようとする
サラミの腕を軽く引き寄せると


ふわりと石鹸の香りをさせ、
私の太股に座り込む形になった。




「あ、あの…団長、すみませ」




言い掛けて、立ち上がろうとするサラミを
片手で制し、唇を押し付けた。




「っ…な、にして」





唇を離すと、驚いたように此方を見る
その表情が私を警戒するものへと変わった。





「大丈夫、怖いことはしないよ。」




そっと頬を撫でてやると、
少し不安そうに私を見つめる。




「団、長…?」



「サラミ…全てを私に、委ねてくれないか」


「え、あ…委ね、る?」





彼女を優しく抱き上げて、返事を聞く前に
私は、自室へと続く道を歩きだした。







「エルヴィン団長…離して、くださいっ」



不安そうに瞳を涙で揺らして
私を見上げる彼女の額に、そっとキスを落とした。




それでも


(( やめるつもりのない私は
彼女にとっで最悪の男゙になるのだろうか ))


( っ、団長、嫌…やめ )

( 黙って私の言うことを聞くんだ、いいね。 )




To be continued...

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