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□4 幸せの連続
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夢中で本を読んでいると
ふっ と本に影が落ちた。
まさか、と思って顔を上げると

くす、 と口に少し手をあてて笑う赤司くんがいた。

その姿はあまりにも “さま” になっていて。

心臓が ドキっ と高鳴った。

「すまないね、読書の邪魔をしてしまった。
…僕が少し前に図書室に入ったの気づいてなかっただろう?」

『え、…⁉ てことは今…』

驚いて時間を確認すると
とっくの前に部活動終了時間を
過ぎていた。

…ということは、赤司は自分の読書している姿を見ていた
ということになる。

すみれは 恥ずかしさで
いっぱいになり、

目に少し涙を溜めながら

『来てたなら、声をかけてください…‼』

と言うと、
予想を上回る返事がきた。

「…きみの、読書している姿が
とても 好きなんだ。」

瞬間、すみれは
フリーズしてしまった。

『へ…⁉』
自分でも間抜けだと思う声がでた。

赤司は、何事もなかったかのように微笑んだままで

(聞き間違いか。)

とすみれは ホッとした。
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