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□2 桃色に満たされて
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「おはよーっ すみれちゃん‼」


教室に入ると すぐ
桃色の髪をした友人が
抱きつきながらいつものように
あいさつしてきた。

「おはようございます。吉田さん。」


隣の席の黒子くんも
優しく笑いながらあいさつしてくれた。

『おはよう。さつきちゃん。黒子くん。』

今日も可愛らしいさつきに
思わず目を細めて
抱きしめ返しながら
ふわりと笑いかける。


「あっれー? すみれちゃん。もしかして、何か良いことあった⁉ ちょっと嬉しそう!」

(さすが、帝光バスケ部のマネージャー。勘が鋭い…‼)

「そうですね。どこか雰囲気が柔らかいです。」

(黒子くんまで…‼)

『う、うん… ちょっと…ね』

昨日のことを思い出して
頬を染める私に


「なになにー⁉
すみれちゃん今日超かわいい‼ もちろん、いつももすごくかわいいけど‼」

というとさっきよりきつく抱きしめられた。

(う、ちょっと、苦し…)

「桃井さん。すみれさんが
苦しそうですよ。」

“え、うそ、ごめん‼”

黒子の言葉にパッと離してくれた。


さつきは少し考えるそぶりを見せると
すぐに何かひらめいたように


“もしかして…赤司くんと、何かあった?”

と小声で聞いてきた彼女に
私は少し間を空けて
こくり、と頷くと

「やっぱりー‼
昼休み、ゆっくり聞かせてねっ」


ふふっ と、 まるで自分のことのように喜んでくれるさつきに
とても嬉しくなった。
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