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□ホワイトデー ネタ
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今日はホワイトデー。
…この恋の終わりを告げられる日。



あたし、名無しさん 名無しさんは、ひとつ年上の赤司先輩にバレンタインデーにチョコを渡した。
赤司先輩は、容姿端麗、頭脳明晰、おまけに運動神経バツグンで、女生徒の人気の的だ。そんな人にバレンタインにチョコを渡し、ましては告白するなんて、自分でもバカな事をしたと思う。


…そのおかげか、今でもその時の事は鮮明に覚えている。




『あ、あ、赤司先輩っ…!
す、好きです…っ!!!
こ、こ、これ。受け取ってください…っ』



放課後、赤司先輩を校舎裏に呼び出したのだが、まさか本当に来てくれると思わず、名無しさんはとてつもなく緊張しながら、サッと 気合いを入れてラッピングしたそれを差し出した。

…赤司先輩が受け取ってくれたのが分かる。 名無しさんは返事が怖くて、すぐにこう言った。



『へ、返事は、ホワイトデーにっ、宜しくお願いします…っ!』



恥ずかしくて、目を合わすことも出来ないまま、名無しさんはその場を立ち去った。


(きゃーっ、受け取ってくれた…っ でも、変な子だと思われただろうなぁ)





…あれから1ヶ月。とうとう告白の返事される日が来た。
名無しさんは、1週間も前から心臓が止まるかと思うほどドキドキしていた。


朝、 学校に着き、いつものように靴箱から上履きを取ろうとすると、ヒラヒラと紙のようなものが落ちてきた。

まさか、と思い 恐る恐るその紙を見てみると、予想は的中した。



【名無しさんさんへ
放課後、校舎裏に来てくれ。
…返事をしたい。 赤司】



とあった。
名無しさんは、心臓がドクッと飛び跳ねた。


(あぁぁ、とうとうフラれるのかぁ… 怖いぃぃぃ)



頭を抱えながら、そこへやって来た友達と教室へ向かった。
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