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□17 貴方の名を
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「おはよう!すみれちゃん!…赤司くんとのデート、どうだったかな?」


朝、すみれが学校に着くと、口元をにやつかせながら さつきが真っ先に話しかけてきた。

その後ろにいる黒子も話を聞きたそうにしている。


その言葉にすみれは顔を赤らめながら、
少し 間を置いて昨日の事を伝える。


『…赤司 くんと、付き合う、ことになったよ。』

照れながらそう呟くと、
さつきは勢いよくすみれを抱きしめた。

「おめでとう〜っ すみれちゃん!!!」
「…本当に、おめでとうございます。吉田さん。」


ふわりと微笑みながら言う2人。

『ありがとう… さつきちゃん、黒子くん。こうなれたのも、2人のおかげだよ。』

すみれは感謝の気持ちを伝えた。2人はそれを聞いて嬉しそうな顔をする。



「…よし、こうしちゃいられない!みんなにも報告しなきゃっ!」

さつきは一目散に教室から出ていった。すみれがどういう事か分からず、不思議そうにしていると、隣に居る黒子が優しく教えてくれた。

「…多分、キセキの世代のみなさんにお2人が両想いになれた事を教えに行ったんだと思います。
みんな、今か今かと待ちわびていましたし…。」

『そうなんだ…
みんな、優しいね。』

すみれは心がじんわり温かくなった。




…昼休み。いつもの様にさつきと中庭でお弁当を食べていると、
何やら大きな何人かの足音が聞こえてきた。
どうやら、こちらに向かってきているらしい。
まさか と思って 振り返ってみると、そこには全速力で走って来る、赤司以外のキセキの世代のみんながいた。


『え、みんな…っ どうしたの?』

驚いたすみれがそう言うと、 “どうしたもこうしたもない”
といった表情を浮かべる。


「すみれっち!赤司っちと付き合いだしたってほんとっスか!?」
目をキラキラさせながら言う黄瀬。

「やーっと、くっつきやがったか。 …おめでとさん。」
と、口調とは違い、優しい表情をして言う青峰。

「フン… 祝ってやらない事もないのだよ。」
少し照れた様に言う緑間。

「吉田ちん、おめでと〜 。これ、お祝いのお菓子〜」
大量のお菓子を差し出す紫原。


みんなそろって祝福してくれた。


『ありがとう…!みんなっ』

すみれが嬉しそうに微笑む。
その笑顔を見た4人は、心の中で赤司を羨ましがった。



「…ところで、告白はどちらからだったんですか?」
黒子が興味深そうに尋ねてくる。

「そうそう!それ私も気になってたー!」


みんなが興味津々といったように
近づいてきた。



『えっ…と、赤司くんから。
です…』

恥ずかしさで耐え切れなくなり、下を向きながら答える。
そろり と目を向けると
全員がニヤニヤとした顔で
こちらを見ていた。


((((((まぁ、当然)ですよね)っス)だよね!)だな)なのだよ)だよね〜)


全員、心の中で力強く頷く。
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