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□15 貴方に逢うため
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いつもなら日曜だから、といってまだ寝ている時間だ。
…でも今日はそんな事は言っていられない。
あと赤司との約束まで 2時間ちょっと。
すみれは昨日、さつきと一緒に買いに行った服を手に取る。





「え⁉ 赤司くんに誘われた⁉
きゃーっ 任せて!とびっきり可愛いの選んであげる!」


そう言われて手渡された服は、
白い総レースのワンピースで、腰の部分にすみれ色の大きめのリボンが付いたものだった。


「これだと、赤司くんも褒めてくれたヘアピン、凄く合うと思うんだ!」





改めて見ると、本当に可愛い。

(これ、私 似合うかな…
赤司くん、少しでも可愛いって思ってくれるかな?)


すみれは少し不安になったが、さつきが選んでくれたものだったので、思い切って着ることにした。…鏡に映る自分のシルエットが、とても 綺麗に見える。


(髪は、サイドをちょっと編み込んで、ヘアピンで留める… だったっけ?)


さつきがアドバイスしてくれたのを思い出しながら、その通りに髪をアレンジした

(ありがとう…さつきちゃん。
…もう少しで 約束の時間だ。)



ミニバックに入れたポーチの中から、普段つけ慣れない、ピンクの色付きリップを唇に塗り、チークを頬につけた。
…それだけなのだが、一気に “女の子” の気分になって、心がふわふわ舞上がった。


(あぁ、ドキドキする…っ)


胸のあたりに触れてみると、心臓がいつもより早いペースで脈打っている。


『よし…。そろそろ待ち合わせ場所に行こう』


すみれは もう一度、鏡で全身をくまなくチェックして家を出た。


外は冷たい風が吹いていたが、
上にグレーのカーディガンを羽織っていたので、そこまで寒くはなかった。


(今日は、いったいどんな1日になるんだろう…)


すみれはワクワクした気持ちでいっぱいになった。

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