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□14 最高のプレゼント
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“ピピピッ”

少し小さめのアラームで目が覚める。

携帯を開くと、お母さんとさつきからメールが届いていた。さつきのメールを確認すると、

“すみれちゃん、 お誕生日おめでとう! 私が1番に言えてるといいなっ また、学校でね”

という、さつきらしい文面の、お誕生日メールだった。

(ありがとう…さつきちゃん)

お母さんからのメールも同じ、誕生日についてのもので、すみれは朝からほんわかした気分になれた。



学校に着くと、待ってました とばかりに、

「ハッピーバースディ!すみれちゃんっ」

とさつきが抱きついてきた。

『ありがとう… さつきちゃんっ』

すると、黒子が驚いたようにこちらを見ていた。

「吉田さん、今日 お誕生日なんですね。本当に、おめでとうございます。」

『…ありがとう、黒子くんっ』


いつもの、優しい黒子の笑顔に心が温かくなった。



「これ、私からのプレゼント!
選んだの私だから変かもしれないけど… 開けてみて!」

と、少し心配そうに笑うさつき。


『そんな… 変なんて、あり得ないよ。だってさつきちゃんからのだもん』

そう言うと、“すみれちゃんんんんっ” と、嬉しそうに笑った。


早速、ピンク色のリボンを解いて開けてみると、中には 本物のすみれの花が付いているかの様なヘアピンが入っていた。

ピンの部分はゴールドになっていて、キラキラと光っている。


(すっごく、可愛い…っ)


すみれは目を輝かせた。


「すみれちゃんのイメージっぽくて、買ってみたんだ…
気に入って貰えたみたいで良かった!」

と、さつきが微笑んだ。


「桃井さん… 、素敵なプレゼントですね。吉田さんにピッタリです。」

黒子がそれを見て呟いた。

“ありがとーっ、テツくん!”
少し照れた様にさつきが笑う。


(こんな素敵なものが、私のイメージなんて…)



すみれは とても嬉しくなり、涙ぐみながら、2人の様子を微笑ましく見つめていた。
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