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□13 放課後の勉強会
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赤司と帰る通学路は時間がすぐに過ぎてしまう。

(ほら、もう家の前。…よし、勉強のこと、言うなら今だ…!)


『あ、赤司くん、お願いがあるんだけど…っ』

隣を歩く赤司に勇気を振り絞ってそう伝えると、

「 …すみれがお願いをしてくれるなんて嬉しいな。 どうしたんだい?」

と、一瞬 驚いた表情をしたが、すぐに優しいいつもの赤司の表情にもどった。


“実は…”

すみれが 内容を説明すると、

「…そういうことなら、喜んで協力するよ。明日からちょうどテスト前で 部活動停止期間に入るから、キセキの世代のみんなを図書室に呼んで、勉強会を開こう。」

と、快く承諾してくれた。

『ありがとう、赤司くん…っ』


(みんなと一緒に勉強かー…
すごく、楽しそう…!)

すみれが 明日のことを考えて ふふ と笑っていると、

「…僕はきみと2人っきりがいいんだけどね。」

と、赤司が妖艶に笑った。

『…っ⁉』

すみれがドキッとして顔を赤くしていると、

「まぁ、今日は色々と楽しめたし、」

“今回は諦めるよ”


『もう、赤司くんったら…っ!』


すみれの反応を見て可笑しそうに言う赤司を、真っ赤な顔で睨んだ。



次の日。放課後になると、いつもすみれしかおらず静かな図書室が、とても賑やかになった。

「では、今日から1週間、勉強会を始める。 大輝、お前は真太郎に。 涼太はテツヤと桃井に。…そしてすみれは僕。
各自ペアで教えてやってくれ。
頼んだぞ。…ちなみに、赤点を取った者には罰として、しばらく練習メニューを5倍にする。…いいな?」


一気に青峰と黄瀬の顔が青ざめた。

((ヤバい… そうなったら確実に死ぬ!!!))

死ぬ気で勉強しよう、そう心に誓った。
…が、30分も経たぬうちに、

「だーっ!! なんっだよ、この図形は! どう求めんだよ!!てかなんで点P動くんだよぉぉ」
「うるさいのだよ!青峰!!ここはこうやってだな…」
「あー、もうムリだわ。 意味わかんねぇ」


「織田、豊臣、徳川… 人多すぎて、誰が何したかなんておぼえられないっスよー!」
「大丈夫です。黄瀬くん。ここは覚えるコツがあってですね…」
「そんな一気には無理っスよー!
黒子っちぃぃーっ」


(何だか、どのペアも大変そうだな…)
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